「戦う飛行船‐第一次大戦ドイツ軍用飛行船入門」を読み終わった

「戦う飛行船‐第一次大戦ドイツ軍用飛行船入門」を読み終わったので感想を書きたいと思います。

 凄い本です。

 第一次大戦におけるドイツ飛行船の活動を解説する本であります。

 第一次大戦で組織的に飛行船を活用したのはドイツだけです〔他の時期にも他国にもありません〕。そして世界最初である戦略爆撃を実施したのもドイツの飛行船であります。

 その栄光の活躍と落日を歴史を追って解説してあります。

 最初に飛行船に関する基本事項、飛ぶ原理、技術的解説、軍用飛行船の発展、関連する人物の説明があります。続いて飛行船の運用、その後に本書の本編である第一次大戦におけるドイツ軍用飛行船の戦いについて書かれます。

 第一次大戦中の飛行船の活躍について細かく書かれています。ロンドン初空襲からはじまりイギリス防空部隊の活躍や航空機の発達によって飛行船が役をなさなくなるまでの記録が当時の記録を元に書かれています。本当に詳しいです。

 何しろ第一次大戦の日本語の資料は大変少ないにもかかわらずドイツ飛行船というニッチな分野についてここまで詳しい本が出るなんて信じられないです。

 同時に飛行船の本というのも珍しいです、特に軍用飛行船の本となると本当に珍しい。それだけでも価値がありますね。

 ありがたい1冊でした。

「昭和40年男2023年8月号特集俺たちの読書史‐活字をめぐる冒険」を買ってきた

「昭和40年男2023年8月号特集俺たちの読書史‐活字をめぐる冒険」を買ってきたので感想を書きながら内容を紹介したいと思います。

 第1特集は「俺たちの読書史」です。

 自他共に認める活字中毒である私にとって嬉しい特集であります。

 「俺たちの10冊+1冊」・・・読んだのは「ノックの音が」「虚構船団」「ライ麦畑でつかまえて」ですね、あんまりベストセラーは読まない人なので。

 「昭和読書グラフィティ」・・・自分の読書体験は普通の人と違うので微妙に感じが違います。

 「『科学』と『学習』」・・・「科学」を買ってました、付録が楽しみでした。

 「大日本百科事典」・・・百科事典には憧れがありました、家にはなかったので。

 「怪獣特撮ブームを支えた書籍と雑誌」・・・持っていた記憶があります。

 「新井素子」・・・懐かしいです、読みました。「星へ行く船」「グリーンレクイエム」「結婚物語」「ひでおと素子の愛の交換日記」等々、今でも一部は家にあります。

 「古典文学をもう一度」・・・大人〔働き出してから〕になってから読んでます。三島由紀夫はかなり読みましたが当たりとハズレがあります。谷崎潤一郎も好きです。

 「伝説の週刊少年チャンピオン」・・・私は「サンデー」派でした。

 「雑誌十番勝負」・・・「週刊ゴング」と「週刊プロレス」、両方読んでた時期もありましたが最終的には「週刊プロレス」を選びました〔今は読んでない〕。「ヤングマガジン」と「スピリッツ」、私は「スピリッツ」派、「めぞん一刻」に「軽井沢シンドローム」が好きだったな。

 「絶版本」・・・「ツービートのわっ毒ガスだ」は面白かった。内容的には絶版になっても仕方無しですけど。

 

 第2特集は「昭和48年」。

 お約束の当時のテレビ欄。土曜日と言えば「全員集合」、裏で「キカイダー」やってたんだ、と言うことは私が見たのは再放送か、好きだけど。「キイハンター」も懐かしい。午後7時台はアニメに特撮、今は無くなったけどね。ボーリングの番組があるのも時代を感じる。金曜日は「太陽にほえろ」、「ウルトラマンタロウ」は見てた。「スター千一夜」「クイズ・グランプリ」も懐かしい。東京12チャンネルの「金曜スペシャル」は色々とお世話になりました。

 「中野サンプラザ開館」・・・そして今年閉館、一度も行かなかった〔関西在住なので〕。

 「巨人V9」達成・・・最終戦阪神が甲子園で負けたんだよね、阪神ファンとしては悔しい限り。

 「新日本プロレス、NETで放送開始」・・・プロレスを見だしたのはもう少し後、藤波がジュニアのチャンピオンになった頃から。猪木・坂口組は強かったね〔坂口征二がすっかりおじいちゃんになってます〕。

 

 他の記事から。

 「安田謙一のシャングリラ〔29〕「みんぱく」・・・大阪万博の後に作られた国立民俗博物館。何回か行ったことがあります。とにかく展示が多いので特別展を見た後で常設展を見ると足と眼が疲れるレベル。

 「食事が喉を通らないは危険な兆候なのか?」・・・逆流性食道炎には注意しないと。

 「樋口毅宏の神のみぞ知る〔9〕売野雅勇」・・・ヒットメーカですね。当時の中森明菜チェッカーズの裏話が面白い。

 今号も読み応え満載でした、他にも興味深い記事有り。 

あべのハルカス美術館「超絶技巧、未来へ!明治工芸とそのDNA」を見に行ってきた

 昨日、あべのハルカス美術館「超絶技巧、未来へ!明治工芸とそのDNA」を見に行ってきました。

 木彫・金工・漆工・陶磁・ガラス・水墨画ペーパークラフト・切り絵・刺繍工芸・七宝・牙彫の壮絶技巧の作品を明治の作家と現代作家の作品を並べて展示する展覧会です。

 入ってすぐに展示されている前原冬樹の「グローブとボール」から圧巻の出来、オールドスタイルのグローブと使い古されたボールなんですが、どう見ても皮で出来たように見えて木彫には絶対に見えません。次の「スルメに茶碗」も木彫に見えません。

 漆工の若宮隆志「木槌」「ネジが外れている‐モンキー、工具箱、ネジ」も金属製にしか見えない質量感が漂っています、これが漆で出来ているとは思えない。

 ペーパークラフトの小坂学「BCL Radio」など4点も凄い、石膏で型を取って流し込んだように見える完成度でしたが紙製です、設計図も細かい、このぐらい計算して作らないと完成度は出ないんでしょうね。

 切り絵、盛田亜耶「ヴィーナスの誕生Ⅱ」「マグダラのマリア」の大きさに圧倒される、これだけ大きな作品を細かい精度で切り抜いて行くには想像できないほどの時間と根気が要ると思われます。縦方向で展示されていますが固定法も良く判らなかったです。

 ガラスの青木美歌「あなたと私の間に」「あなたに続く森」は菌類をモチーフにしたと思われ大変綺麗でした。

 明治の作品も凄かったです。

 とにかく思わず声を上げてしまいそうな作品ばかり、どうやって作ったか知りたくなる作品ばかりです。

 一見の価値ありです・・・もう1回見に行きたいです。

「 世界の艦船」通巻999号を迎えて

 日本唯一の月間船舶雑誌「世界の艦船」が通巻999号を今月号〔2023年8月号〕で迎えました。創刊は1957年〔私の生まれるかなり前〕、66年かけての達成です。月間の本編が790冊、増刊が210冊〔多いです〕。おめでとうございます。

 私が「世界の艦船」を買い始めたのは忘れもしない1980年2月号、特集はコルベットだったかと・・・これはさすがに覚えてない。それ以来、月刊誌は1冊も欠かさず購入しております〔増刊は全部買ってない、というか予算的にも置き場所も内容的にも買ってられないのです〕。

 船の雑誌はかつては「丸スペシャル」「船の科学」「SeaPower」などがあり今も「jShips」ありますが軍用も民間も両方載っていて月刊というのは「世界の艦船」だけです。本当にありがたい。

 さてさて999号も続いていると内容にも変化がありますね。ここからは「お願い」を込めて書きたいと思います。

 最近は特集が少しマンネリ気味かと、最新号の特集は「世界の空母」、毎年やる必要があるのかと思っております〔2年に1回で十分かと〕。毎年の新年号の特集も最近は海上自衛隊ばかり、以前は「アメリカ海軍」や「海上保安庁」と交代でやってましたよね。特集が軍用のみというのも最近の傾向、昔は「カーフェリー」や「客船」の特集もありました、新しい商船が出来ると本文に4ページぐらいの解説があったりしました。たまには良いかと思っております。「煙突」や「マスト」の特集や中小海軍の記事もありました、こういうのも面白いんですよね。マニアックだとアメリカの「PTボート」や日本の「海防艦」の特集もあって良かったです〔「PTボート」の日本語で読める記事はこれぐらいしか知りません〕。

 マニアックな特集をすると売れないのかも知れませんが変わった記事も是非読みたいですね。せっかく日本唯一の艦船雑誌なんですから。

 1000号は増刊「日本軍艦史」で7月21日発売だそうです〔6800円と高めの値段〕、1000号にふさわしい内容を期待しております。

 いろいろ書きましたが本当に「世界の艦船」には期待しております、末永く発売が続くことをお祈りして終わりたいと思います。

最近の月刊「丸」について

 軍事雑誌・月刊「丸」〔艦艇雑誌じゃなくて軍事雑誌ですね〕を毎月買い始めて12年ほど立ちます〔東日本大震災の年からですね〕。

 私が買っている雑誌では中堅どころの期間であります、「世界の艦船」や「航空ファン」は40年以上購入しますからね。

 買い始めて11年たった「丸」ですが最近、少し残念であります。

 物価高なので値上げは仕方ないのですがページ数減はいただけません、特にカラーページの減は寂しいですね。徳永克彦氏の「蒼穹のページェント」が2ページ、「海底のレクイエム」「米軍ガンカメラ写真集」が1ページなんて勿体ないです。

 本文の「陸海空自衛隊ニュース」や「ジュラルミンを着たヴィーナス」も1ページじゃ食い足りないですね。

 今月号で言うと「ドイツ艦艇物語‐装甲艦「アルミニウス」活躍」や「軍隊杯」「刀剣佩用」の記事なんかは良かったんですけどね。

 第1特集の「駆逐艦島風」の記事も過去に掲載された記事からの発掘議事が多いですね、確かに戦争体験者も高年齢化が進み新しい記事が得られないのはやむを得ないのですが〔学徒動員やシベリア抑留を体験した私の叔父も今年99歳で大往生しました〕。

 今月から値上げした「ModelGraphix」はカラーページが増加して良かったんですけどね。

 是非、月刊「丸」にも老舗雑誌として頑張ってほしいものです。

「艦船模型スペシャル2023年夏号特集今さら聞けない装備品のはなし‐日本海軍航空母艦編」を買ってきた

「艦船模型スペシャル2023年夏号特集今さら聞けない装備品のはなし‐日本海航空母艦編」を買ってきたので感想を書きながら内容を紹介したいと思います。

 今回の特集は日本の航空母艦の装備品のお話、高角砲や機銃、探照灯、ボートなどですね。ここのディテールが良くなると模型の完成度が上がりますよ、という特集。

 巻頭作例は「鳳翔」それも日本初の空母発着艦実験を5つの場面で再現です。「発艦準備」「発艦」「着艦へのアプローチ」「着艦」「着艦成功」の5つの場面です。1/700で人まで乗っているという恐るべき出来です。

 次が特集の肝です。日本空母の装備品のお話。まずはピットロードの「龍鳳」のディテールアップ。

 ここからがいつもと違う内容「プラ製装備品パーツの組み立てと塗装手順を見る」です。高角砲、機銃、内火艇、内火ランチ、探照灯特型運貨艇の一つ一つの詳しい作り方が写真入りで20ページ以上。続いて主要空母の図面16ページです。

 続いては作例「アオシマ1/700「雲龍」ピットロードの新・艦船装備セットでディテールアップ」これも詳しい。

 「米空母ホーネットを日本海軍鹵獲仕様に改装する」・・・こちらはIFの設定。

 「飛行甲板を彩る1/700艦載機の世界」・・・ここでは各社の艦載機を機種別に紹介とディテールアップ。16ページの細かさ。

 特別記事で「戦艦大和」の1/35九六式25mm三連装機銃と1/16主錨と副錨。

 NEW KIT REVIEWはピットロードの1/700「海上自衛隊護衛艦FFM-1もがみ」、期待の新作です。

 連載「世界の客船〔35〕くれない丸・むらさき丸」いつもは大型客船ですが今回は日本の小型客船、この記事も良い。

 今号は今までの「艦船模型スペシャル」と違って作例を絞って一つの記事の分量を増やして詳しく解説しているのが大変良いと思います。装備品の解説は詳しすぎるぐらい。

 模型を作らなくなって久しく模型雑誌を実物の資料として買うのが長くなっていますが、こういう記事を読むと、また復帰しようかなと思うような内容でした。

「昭和40年男2023年6月号特集・俺たちのお笑い黄金時代」を買ってきた

「昭和40年男2023年6月号特集・俺たちのお笑い黄金時代」を買ってきたので内容を紹介しながら感想を書きたいと思います。

 第1特集は「俺たちのお笑い黄金時代」で1970年代のお笑いを特集しています。最初は「高田文夫のお笑い回顧録」です。

 「70年代のお笑い〜豊潤なナンセンスとエロの果てに〜」・・・あのねのねせんだみつお笑福亭鶴光そして桂三枝ですね。

 「せんだみつお&湯原昌幸特別対談」・・・懐かしい人ですね。

 「井上順」・・・「カックラキン大放送」に「夜のヒットスタジオ」ですね、ヒットスタジオの印象が強いです。

 「関根勤」・・・70年代なら「ラビット関根」、カックラキンの印象強い。

 「伊東四朗」・・・いまだに現役、凄い人だと思います。「演劇のいちばん上にあるのは喜劇だと思っています」の発言が格好いい。

 「忘れじのお笑い番組」・・・「お笑いスター誕生」「YOUNG OH!KH!」が懐かしい。艦載でやってない番組もある。

 「西の国のお笑い事情」・・・関西人にとってはここが本番。やすしきよし吉本新喜劇、ヤングおーおーの「ザ・パンダ」、上岡龍太郎横山ノック、みんな懐かしい。

 「俺たちの記憶に残る芸人たち」・・・「藤村俊二おひょいさんは軟派格好いいおじさんの代表〕」「レッツゴー三匹〔トリオ漫才の代表〕」。

 「大物たちの下積み時代」・・・タモリにさんま、釣瓶、所ジョージ、下積み時代から知っているのが昭和40年代男。

 「キャンディーズ」・・・「みごろ!たべごろ!笑いごろ!」「8時だよ全員集合」で見せたコントは良かったね。

 「実力派歌手のコミカルな魅力」・・・沢田研二由紀さおり研ナオコ野口五郎、ここには書いてないけど郷ひろみ、全員集合でよく見た。

 「三波伸介」・・・ずっとテレビに出てた感じ、特にお正月の番組。

 

 第2特集は「昭和53年/1978年」

 懐かしのテレビ欄、金曜と言えば「金曜スペシャル」、Hな特集が思春期の男にとっては楽しみでした〔復活して欲しい気もする〕。赤いシリーズの「赤い絆」に山口百恵が出てる。夕方5時台にニュース番組まがいの情報番組がないのが良いね。今では封印番組となっている「キャンディ・キャンディ」も放送中。日本版「スパイターマン」が懐かしい。NHKの放送が11時15分に終わってるし〔速すぎ〕。

 「ピンク・レディ」・・・とにかく流行ってた。

 「成田空港開港」・・・過激派大暴れ、管制塔襲撃事件は記憶しておくべき。

 「猪木vs上田馬之助のネイルデスマッチ」・・・場外に五寸グギを打ち付けたボードを並べたリングで戦うデスマッチ、落ちそうで落ちない試合だった〔落ちないだろうと思ってた〕。後に「W★ING」で松永光弘が落ちるのだが・・・。

 

 他の記事から。

 「樋口毅宏の神のみぞ知る・キラー・カーン」・・・今号で一番面白かった記事。キラー・カーンの嘆き節でプロレスの裏側を知れる。猪木と長州への嘆き節、苦労したんだねカーンさん。私は好きだった、なにせ全盛期のアンドレ・ザ・ジャイアントと対等に戦える日本人選手ってキラー・カーンしか居なかったから。幸せになって欲しいな。

 今号も読み応え満点でした。