「戦う飛行船‐第一次大戦ドイツ軍用飛行船入門」を読み終わった

「戦う飛行船‐第一次大戦ドイツ軍用飛行船入門」を読み終わったので感想を書きたいと思います。

 凄い本です。

 第一次大戦におけるドイツ飛行船の活動を解説する本であります。

 第一次大戦で組織的に飛行船を活用したのはドイツだけです〔他の時期にも他国にもありません〕。そして世界最初である戦略爆撃を実施したのもドイツの飛行船であります。

 その栄光の活躍と落日を歴史を追って解説してあります。

 最初に飛行船に関する基本事項、飛ぶ原理、技術的解説、軍用飛行船の発展、関連する人物の説明があります。続いて飛行船の運用、その後に本書の本編である第一次大戦におけるドイツ軍用飛行船の戦いについて書かれます。

 第一次大戦中の飛行船の活躍について細かく書かれています。ロンドン初空襲からはじまりイギリス防空部隊の活躍や航空機の発達によって飛行船が役をなさなくなるまでの記録が当時の記録を元に書かれています。本当に詳しいです。

 何しろ第一次大戦の日本語の資料は大変少ないにもかかわらずドイツ飛行船というニッチな分野についてここまで詳しい本が出るなんて信じられないです。

 同時に飛行船の本というのも珍しいです、特に軍用飛行船の本となると本当に珍しい。それだけでも価値がありますね。

 ありがたい1冊でした。