「海防戦艦‐設計・建造・運用1872〜1938」橋本和路著を読み終わりました

海防戦艦‐設計・建造・運用1872〜1938」橋本和路/イカロス出版を読み終わりましたので感想を書きたいと思います。

 とんでもない本です。極めてマイナーである艦種の「海防戦艦」について1冊まとまった本が出ること自体、奇跡に近いです。

 取り上げられている国はデンマークスウェーデンノルウェーフィンランド、フランス、ドイツ、ロシア/ソ連、日本、オーストリア=ハンガリー、オランダ、ギリシャ、アルゼンチン、ブラジル、メキシコ、タイ/シャムであります。

 特に詳しく書かれているのは北欧4カ国のデンマークスウェーデンノルウェーフィンランドです。海防戦艦の定義から始まって砲塔艦・モニター・装甲砲廊艦そして海防戦艦各艦の解説〔設計・建造・運用・改装・最期まで〕が図面入りで説明されています。とにかく、この4カ国の海防戦艦については詳しい、微に入り細に入り解説。

 残りの国については北欧4カ国に比べてあっさりした解説ですが海防戦艦についての資料は珍しいので貴重〔日本の海防戦艦「見島」「沖島」については最近「ミリタリークラシックス」で解説が連載中〕。

 最初に書いたとおり海防戦艦のまとまった資料が出ること自体が貴重です、よく、これだけの資料を集めたものだと感心するばかり、軍艦好き〔特にマイナー艦好き〕にはたまらない1冊となっています。

 問題点と言えば本が重いことと〔寝転がって読むと大変〕価格が高いこと〔税込み4950円・・・発行部数と本の大きさから考えたら妥当か?割とイカロス出版の本はお手頃価格が多いのですが〕ぐらいでしょうか。

 私は買って良かったと思っています。