大阪市立中之島美術館「佐伯祐三‐自画像としての風景」を見に行ってきた

大阪市中之島美術館「佐伯祐三‐自画像としての風景」を昨日、見に行ってきましたので感想を書きたいと思います。

特別展「佐伯祐三-自画像としての風景」:【東京会場】2023年1月21日(土)~4月2日(日) 東京ステーションギャラリー/【大阪会場】2023年4月15日(土)~6月25日(日) 大阪中之島美術館

 わずか30歳の若さで夭折した天才画家・佐伯祐三の作品を集めた展覧会です。最大のコレクションを持っている大阪市中之島美術館だからこそ出来る展覧会です。

 最初に展示されているのは「自画像」です。鉛筆やコンテで描かれた作品が良いです。

 続いて展示されているのが「大阪と東京」、住んでいた下落合と滞船の作品が多いです。下落合では電柱、滞船ではマストといった垂直に立っている物が強調されているのが印象的です。

 「親しい人々の肖像」では娘の彌智子や妻の米子、「静物」では「鯖」「蟹」が私は良いと思います。

 「パリ」・・・2回の滞在の合計は3年にわたります、ここで多くの作品を完成させています。1924年ヴラマンクと出会って画家としてのあり方をリセットした佐伯祐三はパリの風景画を多数描きます。配色は暗いですが落ち着いた感じがして大変良いです。2回目のパリでは壁や広告が多くの作品で描かれます。私は「リュクサンブール公園」が好きです。

 「ヴィリエ=ジュル=モラン」はパリから電車で1時間ほどの村、ここでもまとまった最後の写生をしています。タッチが速い感じがします。

 最後が「人物と扉」、写生旅行で雨でずぶ濡れになり風邪をこじらした佐伯は寝込むことが増えました。その時わずかに回復した体調で最後の作品群を描きました。「郵便配達夫」は大変力強く描かれていて亡くなる前の体調不良を感じさせません。

 最大のコレクションを持っている大阪中之島美術館だけあって作品数が多いです〔140点以上〕見応えたっぷりの展覧会です。撮影が許可されている作品も多いです。満足です。

 同時開催の「デザインに恋したアート♡アートに嫉妬したデザイン」展も見ました、懐かしい広告作品やインダストリーデザイン、前衛作品が展示されています。佐伯祐三展に比べたら作品数が少なめですが貴重な物がありました。