兵庫県立美術館「河鍋暁斎展」を見に行った

 10連休の初日の4月27日土曜日に兵庫県立美術館「没後130年河鍋暁斎展」に行ってきました。

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 河鍋暁斎は幕末から明治にかけて活躍した画家であります。

 私が見に行ったのは4月6日から29日までの前期展示であります。

 展示は4章に分かれています。

 順番に感想を書いていきたいと思います。

 第1章は「幅広い画業」

 最初に展示されている「毘沙門天像」の目が格好いい、河鍋暁斎は目の表現が良いです〔絵の上手い人は、ほとんど目の表現が上手です〕、毘沙門天のような強いものの目は強く、後から出てくる緩い対象の目は緩いです。「九尾の狐図屏風」「白鷲と猿」「鯉の滝登り図」「牛若丸図」と格好いい絵が続いた後、「ロンドン大宴会」の緩さがまた良いです。「大森彦七鬼女と争う図」」も格好いい。「海藻問屋図」の細かさと生き生きとした人々の動きも良い。

 第2章は「眼の思索‐下絵からはじまるネットワーク」

 下絵も良いです、上手い人は下絵も上手です。

 「暁斎絵日記」が楽しい。動物の写生も良い。

 「骸骨の首引き」「骸骨の茶の湯」などの骸骨シリーズ下絵も良い。

 第3章は「民衆の力」

 「書画会の図」が良いです。多人数の配置も良いし人々の表情も良い、見てて田の指定です。

 「暁斎漫画」「暁斎鈍画」も楽しい。

 第4章は「身体・精神をつむぐ幕末明治」

  生・死に関わる絵が中心です。

 「月に狼図」の狼の目が良い。

 「九相図」は初めて見ました〔九相図とは屋外にうち捨てられた死体が朽ちていく経過を九段階に分けて描いた仏教画〕。

 「放屁合戦絵巻」・・・こんな所で見られるなんて、「放屁合戦絵巻」という存在は昔から知っていましたが河鍋暁斎が描いたとは知りませんでしたし実物を見られるなんて・・・とっても笑える絵です。

 「処刑場跡描絵羽織」・・・羽織に処刑場を描いたというとんでもない作品、背中に磔血まみれ死体、首つり死体の跡を烏がたかっている図、表は木に磔された死体と野犬です。これは個人からの発注品だったらしい〔発注主は不明〕、注文した人は凄いな・・・どんな意図で発注したんでしょう?

 感想を書いているとキリが無いのでこの辺で。

 展示点数も多く一つ一つの作品も見応えがあって良かったです。後期展示も見に行かねば・・・

 

 同時開催の「2019年度コレクション展Ⅰ境界のむこう」も作品が多いですね。

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 大岩オスカール「ぶらじる丸」がいいです。

世界の名機シリーズ「MiG-31フォックスハウンド」を買ってきた

「世界の名機シリーズ・MiG-31フォックスハウンドイカロス出版を先日、買ってきまた。

 MiG-31はロシアの迎撃戦闘機、ベレンコ中尉の亡命事件〔古い〕でおなじみのMiG-25の改良機であります。元々はソ連時代に米国のXB-70A爆撃機〔計画倒れ〕やSR-71偵察機を迎撃するために作られた機体です。MiG-25に関しては「世界の傑作機」で特集されてますね〔現用機は「世界の名機シリーズ」、現役が終わった機体は「世界の傑作機シリーズ」と棲み分けですね、例外ありですが〕。

 本誌の構成にそって感想を書いていきます。

 巻頭はMiG-31の空撮、一世代も二世代前の機体のデザインですが格好いいです。

 続いてMiG-31の解説。まずは概要MiG-25からMiG-31への発展について。

 各部解説は図と要目表付き。

 機体構造・・・高速度と巨大な航続力を確保するために強度のある機体と機体全体を燃料タンクにしております〔垂直尾翼の中まで燃料タンクにしている機体は珍しい〕。でも燃料システムが複雑なため事故も多いとのこと。

 エンジン・・・旅客機・輸送機用のエンジンを転用とのこと、寒冷地での運用を考慮しているのがロシアらしいところ。

 コクピット・・・昔のコクピットですね、デジタルディスプレー無し、懐かしい気持ちになります。ちなみにBM型では多機能ディスプレイを搭載。射出座席は高性能とのこと。

 レーダー/アビオニクス・・・世界初のフェイズド・アレイ・レーダー「ザスロン」を搭載したのが特徴〔ちなみにパッシブ式、アクティブ式の最初の搭載機は航空自衛隊F-2搭載のJ/APG-1〕。

 ウエポン・・・空対空ミサイル中心、ミサイル解説が詳しい。

 各タイプ解説・配備と運用状況が続きます。

 カザフスタン空軍第610航空基地のMiG-31のルポは珍しい。

 軌跡・運用と作戦の記録・・・国内中心の迎撃戦闘機なので実戦記録が少ないです、ちなみにMiG-25の実戦記録も載っております。

 

 いつも通りの「世界の名機シリーズ」でしたので安心して読めますね。基本資料として1冊置いておくと便利に使えそうです。

 「世界の傑作機」や「世界の名機シリーズ」で第1次大戦の機体が出る日が生きているうちに来るのでしょうか?。

 生きていうるうちに来るとは思えなかった艦船ブーム〔艦これやアルペジオのおかげ〕やINDY500日本人優勝がありましたからね・・・ちょっとだけ期待しておきましょう〔「かぐや様は告らせたい」に結構出ていたような、エンジンの部分に顔付いていたけど〕。

「昭和40年男2019年4月号特集俺たちを震撼させたデジタル大革命」を買ってきた

 「昭和40年男2019年4月号特集俺たちを震撼させたデジタル大革命」CRETTE発刊を買ってきた。

 今回の第1特集は「俺たちを震撼させたデジタル大革命」、1965年から昭和の終わりまでのデジタル革命についてです。ちょうど私なんかが若い頃を過ごした時代〔1975〜1988年〕にデジタル革命は進歩しましたからね。

 「家電カタログ・コレクションで見る電子プロダクトのアナ→デジ進化」・・・懐かしい、ひたすら懐かしい、高くて買えない物がほとんどですが。

 「デジタル・モノの標本採集」・・・多機能デジタル腕時計セイコー「デジボーグ」は持ってましたね、あの頃はデジタル腕時計が格好良かったですから、でも1秒狂うときになるのもデジタル時計。シャープのそろばんと電卓が合体した「ソロカル」は一番のゲテモノ。

 「YMO」・・・流行りましたね、デジタル音楽〔テクノポップ〕の先駆者ですから、まさか後に中の人が「電気なんか〔自主検閲〕」と言うとは思いませんでしたが。

 「テクノ歌謡ジャケEXPO30」・・・あんまり覚えてないけど「みんなのうた」の「コンピューターおばあちゃん」とスターボーの「ハートブレイク太陽族」だけは覚えてる。

 「マイコンブーム到来」・・・NECのPC8000シリーズ欲しかったな、我が家には従兄弟のお古のTK-80BS LEVEL2があったんだけど基盤はむき出しだしテレビと繋いで使うためにアンテナのコードを一回抜いて繋ぎ治さないといけなかったからね、高校生当たりが買える値段じゃなかった。

 「テレビゲームの黎明期」・・・金持ちの同級生が「ATARI」を持っていたので、そいつの家に集合して遊んだものです。我々はゲームウォッチが限界。

 今回は柏木博・鈴木慶一砂原良徳・すがやみちるとインタビューもたっぷり。

 

 第2特集は「昭和63年」・・・実質的に昭和の終わり、昭和64年はあっという間に終わりましたからね。阪急ブレーブスが身売りをしたり美空ひばりが東京ドームで不死鳥コンサートをしたりF1ではセナ・プロ対決。「9の字事件」があった年でもあります。

 「Wink」・・・基本的には元気が売りのはずのアイドルが、そうで無いという新しいコンセプトでしたね。

 「探偵!ナイトスクープ」放送開始・・・関西のお化け番組。最初は上岡龍太郎が司会でしたよね、関西独特の「一般人が面白い」が底流に流れています。初期から中期の神回が載ってますね、「謎の爆発卵」「マネキンと結婚したい」「素晴らしき車椅子の旅」は覚えてますよね。最近は見てないときも多いのですが〔昔の探偵さんが変わってからあんまり見なくなった〕当分は続きそう。

 「飛龍革命」・・・藤波vs猪木の60分フルタイムドロー対決、当時話題になりましたけど個人的にはあんまり・・・ジュニア時代に藤波がMSGでタイトルを取ったときから見てたのに、どうしてかな・・・深くは書かない。

 

 その他の記事から

 「昭和40年の男・ワキを鳴らす男・豊登」・・・ワキを鳴らす男としてしか記憶無し。

 「TVの記憶・ガッチャマン」・・・格好良かったよね、タツノコプロの傑作、戦隊ものの元祖とも言えます。キャラも立ってたしね。

 

 今回は読み応えがありました。

あべのハルカス美術館「驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アートへ」を見てきた

 「驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アートへ」あべのハルカス美術館を昨日〔3月2日〕見に行ってきました。

www.aham.jp

 凄かったです、とにかく凄かったです。

 凄いを通り過ぎて怖いぐらいでしたね。

 変な汗が出るぐらいの超絶技巧の数々でした。

 最初に展示されているのが現代の作家・前原冬樹さんの作品「皿に秋刀魚」、これが一つの木から削り出したと聞いた時点で怖いです。遠くから見ると食べ終わって頭と骨になった秋刀魚が白いお皿に乗っている用にしか見られません。予告の時点で写真は見ていたのですがお皿と秋刀魚は外れるものと思っていました。秋刀魚と皿の間をどうやってくり抜いて塗装したかと考えると・・・人間って凄い。

 明治工芸の多くは京都清水三年坂美術館所蔵作品が多いです。

 自在は「なんでも鑑定団」で時々出てきますが実物を見るのは初めて、これが関節ごとにちゃんと動くんですよね、自分の手で動かしてみたいという欲求に駆られます。伊勢海老に鳥に蛇と色々あります。

 安藤緑山さんの象牙作品も凄い。「パイナップル、バナナ」は本当に本物そっくり、パイナップルが小さいので本物じゃないと判るレベル、彫刻も凄いが塗装も凄い。それより凄いのが「葡萄」、葡萄一房を彫刻してあるのですが葡萄独特の「つや」と粉を吹いたような表面の表現、たまに常温で置いておいた葡萄と変えても判らないのでは?と思うぐらいです。

 刺繍絵画も凄い。遠くから見ると絵にしか見えない、近づくと刺繍と判ります。「瀑布図刺繍額」が個人的には一番良かった。

 現代作家も負けていないレベルです。前原冬樹さんの「有刺鉄線」も木に見えません。錆びた有刺鉄線にしか見えません、こんなに細く折らずにどうやって彫り上げたんでしょう?集中力にも驚きます。

 臼井良平さんのガラス作品も凄い、ペットボトルやビニール袋に入った水・・・これも本物にしか見えない、発想も凄い。

 鈴木翔太さんの「綿毛蒲公英」も良かった。

 どれをとっても凄いというのが正しい感想ですね。

 記念に図録を買って帰ろうかと思ったのですが精度のよく判るアップ写真が少なかったので今回は買いませんでした〔次にあべのハルカス美術館に行ったときに買うかも〕。

 行って良かった。

 

 ちなみに、すぐ近くにある大阪市立美術館ではフェルメール展を開催していますので2つの展覧会をセットで見られことをお薦めします。

https://www.osaka-art-museum.jp/sp_evt/vermeer

「世界の艦船増刊・傑作軍艦アーカイブ〔7〕戦艦「扶桑」型/「伊勢」型」を買ってきた

世界の艦船2019年3月号増刊・傑作軍艦アーカイブ〔7〕戦艦「扶桑」型/「伊勢」型」海人社を土曜日〔2月23日〕に買ってきました。

 「傑作軍艦アーカイブ」シリーズも順調に発売が続いて、もう7冊目です。

 今回取り上げられるのは扶桑型と伊勢型戦艦。

 伊勢型は「航空戦艦」として昔から人気がありましたが扶桑型は昔、人気がありませんでした。大戦中の日本戦艦のイメージを書いてみると〔個人的な感想です〕

 大和型・・・世界最大の戦艦

 長門型・・・世界のビッグ7

 伊勢型・・・世界唯一の航空戦艦〔なんか強そう〕

 金剛型・・・太平洋戦争で大活躍

 扶桑型・・・???

 1/700のキットも昔は恵まれず〔今は良いキットが出ております〕、「丸スペシャル」の日本艦艇シリーズでずっと売れ残ってましたからね。

 ところが今は艦これのおかげもあり〔戦艦として初期の頃から実装できる〕知名度も人気も上がっております。

 さて、内容の紹介。

 巻頭は柚木武士さんの「山城」「伊勢」「日向」の彩色画。1/700洋上模型で見る扶桑型・伊勢型戦艦と秘蔵カラー映像で見る終戦直後の伊勢型航空戦艦、ここまでがカラーページ。

 目次を挟んで扶桑型と伊勢型の建造時から最期までの写真。戦前の写真には見たことがないものも多いです。

 1/700卓上艦隊航空戦艦「伊勢」を作る・・・フジミ特39日本海軍航空戦艦伊勢の作例。

 掲載軍艦キット紹介・・・今、手に入るキットの簡単な解説が2ページ。

 本文は

 超弩級戦艦発達史から読み解く「扶桑」型/「伊勢」型の建造計画・・・新見志郎

 扶桑型/伊勢型のメカニズム・船体防御・・・小高正稔/兵装・・・堤明夫/機関・・・阿部安雄

 「扶桑」型と「伊勢」型の戦い・・・白石光

 史上唯一の航空戦艦「伊勢」型の運用構想とその限界・・・大塚好古

 巻尾の折り込み図面は「新造時の戦艦「山城」(1917年)」と「航空戦艦「伊勢」(1943年)」となっています。

 いつも通りの「傑作軍艦アーカイブ」ですね、船体防御・兵装・機関の解説はいつもながら詳しいです。

 

 もう、このシリーズも7冊目。今後を勝手に予想。

 日本艦だと大戦中の戦艦は大和型だけ、でも写真が少ないですね。

 巡洋艦だと「古鷹型/衣笠型」「最上型/利根型」「5500t軽巡洋艦

 空母は1隻も出てませんね・・・「赤城・加賀」「蒼龍・飛龍(+雲流型)」「翔鶴・瑞鶴」

 他には「特型駆逐艦」で1冊出来ますね、陽炎型などの後期駆逐艦は写真が少ないですからね、人気はあるけど

 海上自衛隊はるな型/しらね型」で1冊というのも良いですね。

 まだ1冊も出てないドイツ艦は「ビスマルク型」「ポケット戦艦」「シャルンホルスト巡洋戦艦」、Uボートは過去に増刊として出てますね。

 米艦だと「ヨークタウン型空母」「エセックス型空母」、戦艦は影が薄い感じ。戦後の「ミッドウェー級空母」「原子力空母エンタープライズ」で1冊というのも良い。「スプルーアンス級駆逐艦」も欲しい1冊。

 英艦だと「ネルソン型戦艦「フッドとレナウン巡洋戦艦」かな・・・空母は「アーク・ロイヤルとイラストリアス級空母」

 次は海外艦と思われるので何が出るかお楽しみ。

 それにしても増刊の発刊ペース速すぎ、予算と置く場所が・・・

兵庫県立美術館「Oh!マツリ☆ゴト昭和・平成のヒーロー&ピーポー展」に行ってきた

「Oh!マツリ☆ゴト昭和・平成のヒーロー&ピーポー展」兵庫県立美術館に昨日〔2月16日〕、行ってきました。

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 タイトルの通り変わった展覧会です。

 当初の仮題の時は「昭和・平成のヒーロー展」だったと記憶しております。

 ヒーローにピーポー〔一般大衆〕が加わりました。

 集団行為・奇妙な姿・特別な場所・戦争・日常生活の5つに分けての展示です。

 最初の方に展示されている戦前の作品、阿部合成「見送る人々」や安位仲治の写真は迫力があります。ガロのバックナンバーが並んでいたりします。

 考現学今和次郎の直筆スケッチ〔これはなかなか見られないので個人的に嬉しい〕や黄金バットの紙芝居、怪人二十面相の挿絵原画も展示してあります。ハイレッド・センターの活動の写真も珍しい〔この辺のセレクトはごちゃごちゃ〕。中村宏「乗物盡絵」の乗物女子校生擬人化イラストも凄い。

 「月光仮面川内康範」「ゴジラ」「ウルトラマン金城哲夫」は割とあっさり、もう少し色々あっても良かったかも。

 戦争のコーナーでは「のらくろ」の原画や戦前のアニメが展示されていて個人的には面白い。小松崎茂が多くのイラストを担当した「機械化」が多数あった、中が見たい。映画「ハワイマレー沖海戦」の資料充実。

 この展覧会はヒーローよりピーポーに力点を置いた感じがいたします。後は個人個人が何に興味を持っているかで感想は変わってくると思います。

 

 同じ美術館2階の奥でひっそり開催されている「M氏コレクションによるJ・J・グランヴィル」展が凄く良い。

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 これだけで一つの展覧会が開催できるレベルの充実振り。

 19世紀前半フランスの有名風刺・挿絵画家のJ・J・グランヴィルの美しいイラストがたっぷり見られます。

 「生きている花々」は花の擬人化です。擬人化と言えば日本ですがフランスの擬人化を見るのも楽しいものです。

 

 二つ合わせると見応えありです、癖も強いですが。

「日本のメイドカルチャー史」を読んだ

「日本のメイドカルチャー史」久我真樹/星海社/上下2巻を読み終わりました。

 とんでもない本です。

 もう一度書きます。

 とんでもない本です。

 本の帯に「これぞ愛と狂気に満ちた驚きのメイド研究の成果」とありますが、それを超越しております。

 上巻312ページ、定価2700円

 下巻496ページ、定価3780円

 上下800ページにぎっしり詰め込まれた情報と解析、執筆に6年かかったのも納得。

 メイドブームの前景、メイドブームを5期に分類、そして日常への定着と章分け。

 メイドブームの基礎は児童文学とアニメ「世界名作劇場」シリーズ、少女漫画と作者は作り上げたと唱えます。一部不満を感じることがあったのですが、それは第7章の「ブームから日常へ」がほとんど解決してくれます〔私の場合は、ちょっと違う理由でメイドという言葉に子どもの頃から触れる機会があったのですが、それは後で書きたいと思います〕。

 第2章は第1期メイドブーム1990年代「メイドさん」の再発見と「屋敷」からの解放・・・アダルトゲームの影響が大きいと・・・。

 第2章は第2期メイドブーム1990年代制服・コスプレブームの中のメイド服・・・コスプレ、アンナミラーズ、制服ブーム、Piaキャロットへようこそ!!2が重要な役割を果たしていると・・・この時期は私はオタク界から離れてますからね。

 第4章は第3期メイドブーム2000年代前半「日本のメイドさん」の確率・・・メイドが主役に、戦わないアンドロイドとしてのメイド〔ToHeartのマルチ、HAND MAID メイこはるびより〕、日常生活のメイドさん藍より青し、スーパーメイドみちるさん、これが私のご主人様等〕、1990年代からの少女漫画とメイド、かわいいメイド服のデザイン〔東京ミュウミュウココロ図書館〕、介錯作品、英国メイドの確率〔大本命シャーリーとエマ〕

 第5章〔ここから下巻〕は第4期メイドブーム2000年代メイド喫茶の時代・・・コスプレ店員からメイド喫茶へ、ここではメイド喫茶を多角的に解析。経済から心理学的要員まで〔「恥ずかしさの共有」〕。

 第6章は第5期メイドブーム2006年以降「メイドイメージの多様化と進化」・・・ここはコミックを中心とした各種作品に言及、「家政婦」についても言及。

 第7章は「ブームから日常へ‐日本のメイドカルチャー」・・・メイドの日常化、ロリータファッション・ゴス文化との関連〔澁澤龍彦まで出てくるとは〕、海外ドラマ、メイドイメージの文脈で見る高橋留美子作品〔エプロンドレスがよく出てくる〕、スタジオジブリとの関連〔「名探偵ホームズ」のハドソン夫人・・・ここでもエプロンドレス〕。

 と内容を書いてきましたけど、とにかく「濃い」、中身が充実しすぎています。私もメイドさん属性で色々作品を見たりしてきましたが、足下にも及びません〔こんな事を書くこともおこがましいレベル〕。

 日本の戦後文化を語る重要な1冊として記憶されるべき作品であります。

 こんな本、何年かに1冊しか出てきませんよ。

 私の下手な感想より実物を手に取ってください!。

 

 さてさて、私と「メイド」という言葉について、あれこれ書きたいと思います。

 私は「メイド」という言葉を聞いて違和感がほとんどありませんでした。

 アニメ好きですが「世界名作劇場」って見たことがほとんどありません。作品の原作である児童文学も読んでません、子どもの頃は図鑑と漫画しか読んでません。

 でも違和感なし。

 私の家にはメイドがいました、私の生まれる遙か昔、戦前の話であります。

 母方の祖父は繊維会社のエリート社員で海外勤務も多かったそうです、上海の日本人租界にも住んでいました、その時には祖母や母の姉の叔母は一緒に住んでいました〔母は生まれてませんが、叔母は小さいながら記憶が残っています〕。

 その祖母や叔母が上海時代の話をするときに「中国人のメイドが・・・」とよく言っていたのを小さい頃から聞いていました〔祖母はなくなりましたが叔母は元気です〕。おかげで「メイド」という言葉に違和感無しです。不思議なことに日本にいるときにもお手伝いさんがいたそうですが、この人のことは「お手伝いさん」と言っているんですよね、不思議なことに・・・一回何故か聞いてみよう。

 もう一つ、子どもの頃に見た「コメットさん」のイメージが強いですね。コメットさんは「お手伝いさん」ですが子どもの頃に「あんな綺麗で明るくて歌が上手なお手伝いさんがいて良いなぁ〜」と思ったものです〔ちなみに九重佑三子さんの初代コメットさんです、大場久美子さんは歌が・・・以下略〕

 思い出はここまでです。

 

 追記〔2月11日〕・そう言えば一時期、関西にある某メイド喫茶によく行っていました。

 マスコミで話題になるようなメイド喫茶でなく落ち着いた雰囲気のメイド喫茶店でした、よくあると聞くイベント等もないメイド喫茶

 普通の喫茶店との違いは、メイド服を着ていること、「いらっしゃいませ」ではなく「お帰りなさいませ、ご主人様」、「ありがとうございました」ではなく「行ってらっしゃいませ、ご主人様」ぐらいですね。

 私はメイド喫茶の近くにある本屋などで買い物をした後、メイド喫茶で休養、購入品の確認、読書というのが流れ。特に購入したての「メイドもの」の本を読むことは至高の楽しみ〔「エマ」の新刊は特に〕。

 メイドさんの中に長身・黒髪ロングヘア・巨乳・眼鏡・ドジっ娘というとんでもないスペックの方がおられて見て目の保養をしたものです〔私は巨乳派ではありませんが〕。

 オーナーさんの都合とやらで数年で閉店してしまってとても残念だったのですが、今となっては良い思い出であります。