「〈ものまね〉の歴史‐仏教・笑い・芸能」を読んで

 歴史文化ライブラリー「〈ものまね〉の歴史‐仏教・笑い・芸能」石井公成/吉川弘文堂を読みました。

 私の好きなテーマ別歴史本であります。

 日本人はものまねが大好きです、それは今に始まったわけではなく昔からなのです。

 歌舞伎の見栄、とりわけ元禄見得は仏像の仁王様のものまねが起源と言うことからお話は始まります〔これだけでも驚き〕。

 最初にアジア諸国の「ものまね」について・・・インド・中国・韓国のものまねについて。

 続いて本題でもあるにほんの「ものまね」について・・・「古代日本」「ものまねの独立と寺院芸能」「ものまねから能・狂言」「花開く江戸の歌舞伎と声色」「拡張していくものまね」「ものまねの近代化」「変化と伝統」と過去から現在に辿っていく構成となっています。

 やはり江戸時代が大きい地位を占めていますね、歌舞伎に落語、声色本、百面相、ものまね興行・・・江戸時代の文化の豊かさがよく判ります。

 明治以降の江戸屋子猫、古川ロッパ柳家三亀松、むあきれたぼういずについても書かれています。

 「ものまね」がいかに日本文化の中で重要な位置を占めているかよく判る上、それぞれの小さな事でも興味深い事が多数書かれている良書です。

 

 今年初めてのブログの更新であります。

 本年も宜しくお願いします。