「NAVY YARD」「艦船模型スペシャル」「世界の艦船増刊日本海軍護衛艦艇史」を買って

「NAVY YARD」「艦船模型スペシャル」「世界の艦船増刊日本海護衛艦艇史」と今月買った3冊の「艦艇本」の感想を書きたいと思います。

 

・「NAVY YARD」11月号特集「模型で見る、模型で知る‐日本航空母艦比較史「もっと知りたい、改装空母大日本絵画

 巻頭はお約束の「艦これ」関係模型、今回は駆逐艦・・・島風・秋月・夕雲・白露・初春・綾波・・・駆逐艦新作キットが続いていますね。

 次が特集「改造空母」・・・最初は英空母の「フューリアス」、次からが主に日本の空母、空母自体のキットはあるけど改造前の状態がフルスクラッチの場合多し、船のフルスクラッチは大変です〔他のフルスクラッチも大変だけど〕

 「NAVY YARD」は特集記事以外の記事が良い。いきなり独戦艦「ケーニッヒ」と米戦艦「ドレッドノート」という渋いセレクト〔この2隻のキットが出ていることが凄いのだが・・・〕、大日本絵画の「イギリス海軍ドレッドノート」の本が出ているのだが今月は予算不足で買えず。

 「アナタノ知ラナイ兵器」は四◯口径八九式十二糎七聯装高角砲」、「軍艦ユニフォーム雑記帳」は「フレッチャー級駆逐艦キッド、メア・アイランド海軍工廠、1945年8月」、フレッチャ駆逐艦の細部の様子が良くわかる嬉しい記事。

 「夕雲型駆逐艦‐違いを知れば、もっと好きになるっ!!」も駆逐艦の作り分けには良い資料。「太平洋戦争の米駆逐艦」はグリッドリー級駆逐艦という渋いセレクト。

 「艦船模型ナノ・テクノロジー工廠」は島風、いつもながら超絶工作、ここまできたら真似をしようと気すら起こらないレベルというより一級芸術品。こんな細かいことをどうやっているのかと・・・実体顕微鏡の下で作業しているとしか思えない。

 「海軍小艦艇隊」はパラオ・ガトー級潜水艦、日本の息の根を止めたのはB-29じゃなくて、この潜水艦たちという説があるぐらいの潜水艦たち。

 「ジミ艦」は「二等巡洋艦十島」、艦これで実装されていない数少ない日本海巡洋艦フルスクラッチで。

 

・「艦船模型スペシャル」特集大鯨と日本潜水母艦/伊58と重巡インディアナポリス

 作例は安定しているのに最近「NAVY YARD」に押され気味のような気がしていた「艦船模型スペシャル」〔個人的な感想です〕ですが今号は良いです。

 模型の記事も良いのですが元になった艦船の説明が良いです。潜水母艦「大鯨」に未完空母「伊吹」、とくに伊吹に関しては本の大きさを最大限に活かした大型写真が乗っているのが嬉しい。「日本の客船」は「橘丸」、数奇な運命を辿った小型客船歴史が良くわかります〔フルスクラッチの模型も素晴らしい〕。

 新キット紹介に「海上自衛隊特務艇81号型」、このクラスの船までキット化される現代の素晴らしさ、昔のように模型を作ってたら破産する予感。

 「日本海軍艦船図鑑」は「衝角〔ラム〕」と渋い選択。

 

・「世界の艦船増刊日本海護衛艦艇史」

 1996年に刊行された「日本海護衛艦艇史」のリニューアル版。

 元の本とは写真がかなり入れ替わっています。

 海防艦・掃海艇・駆潜艇・敷設艇・哨戒艇・特務艇が載っています。説明はいつもの「世界の艦船増刊」のパターンです。1冊あれば上記の船たちの基本情報はわかるようになっています、といいつつこの手の本の資料は少ないですからね〔ミリタリー・クラシックで甲型海防艦が特集されていたのには驚きました〕。

 注文点が幾つか・・・折り込み図面が第24号駆潜艇なのは良いのですが裏面には小さな実艦の写真だけ、もったいない使い方だと思います。第24号駆潜艇の大きな写真を載せるか違う艦の図面を載せて欲しかったです。もう一点、200隻作った第1号型駆潜艇の写真が3枚というのは少なすぎる気が、各艦の艦歴の掲載に場所を取るのはわかりますが・・・もっと写真が載ってたら良いと思います。

 

 「艦これ」のおかげで艦艇の本や模型が多数出るのは嬉しいかぎり、でも本家「艦これ」が最近徐々に盛り下がっているのは悲しいですね。行き詰まり感が出てきたのでしょうか?