「MILITARY CLASSICS2017年秋号特集甲型海防艦/コルスン=チェルカッスイ包囲戦」を読んで

「MILITARY CLASSICS2017年秋号特集甲型海防艦/コルスン=チェルカッスイ包囲戦」イカロス出版を読んだので感想を〔買ってからしばらく時間がたちましたが〕

 第1特集は「甲型海防艦」、日本海軍の縁の下の力持ち的存在です。「艦これ」のおかげもあって、この手の小型艦にも陽が当たるようになったきました。

 海防艦の資料といえば

「丸スペシャル1979年6月号〔28〕海防艦

世界の艦船1983年4月号特集・日本海軍の海防艦」〔この特集は非常に内容が濃く択捉型・第2号型正面線図や海防艇についての記事など載っています・・・今の「世界の艦船」もこのぐらい内容が濃いと嬉しいのですが〕

世界の艦船1996年2月号増刊日本海護衛艦艇史」

などがありますが3冊とも20世紀発売の本なので入手が大変です〔日本海護衛艦艇史は新装版が11月に出るらしいですが「世界の艦船」恒例のカタログ的なものになると思われます〕

 最近で言えば

日本海軍小艦艇ビジュアルガイド〔2〕護衛艦艇編」岩重多四郎/大日本絵画がありますが、この本はモデラーのための本なので実際の艦に関する説明よりも「模型をどう作るか」が中心です〔模型にすると立体的に見られて艦全体が判り易いですが〕

 そこで、今回の「甲型海防艦」特集、大変良い資料であります。

 カラー図、CG図解、各艦細部・武装の解説、整備計画、建造経緯、各型の相違点、運用法と艦隊編成、戦術・戦法、血戦譜、全艦艦歴、「海防艦長になってみよう」、こがしゅうとの「まけた側の良兵器集」占守型海防艦編、他国の護衛艦艇との比較、建造コストまで載っていて至れり尽くせりとなっております。あえて難点を言うとすれば実艦の写真が少ないことぐらいでしょうか・・・そんなことを補って余りある内容です、海防艦に興味がある人なら読みたい一冊です。

 「コルスン=チェルカッスイ包囲戦」は独ソ戦の一場面ですね。

 「この一艦」のフィンランド海防戦艦イルマリネン、「蒼天緑」の陸軍空母「あきつ丸」、「栄光なき敗者の栄光」のベトナム独立と残留日本兵、「歴史的兵器小解説」のTACAM T-60、筑摩型巡洋戦艦、カーチス・ライトCW-21デーモンの記事も良いです〔倍ぐらいのページ数があればもっと良い〕。

 

 読み応えがり資料的価値の高い一冊でした。