「戦前尖端語辞典」平山亜佐子編著/山田参助絵・漫画/左右社を読み終わったので感想を書きたいと思います。
明治から昭和10年代に流行ったり作られたりした言葉285語を紹介する本です。
「生活」「学生」「外来語」「思想」「女学生」「文化」「医療」「社会」「隠語」に分けて紹介されています。今も昔も「学生」「女学生」から流行る言葉は多いですね。
「学生」発生の新語・流行語は旧制一高〔今の東大〕から流行る言葉が多い、「音痴」って言葉も一高発生とは驚き、それも昭和初期だなんて、もっと昔からあったと思ってました。
英語が元になっている流行語も多いがドイツ語やフランス語、他の言語も多い〔ドイツ語が多い〕。戦前から「インフルエンス」なんて言葉があったなんて〔意味は「影響」「感化」、他動詞して使用〕。
「シーク〔美男子〕」「シャン〔美人〕」のように男性・女性・カップルをさす流行語も多い。
「エス」は有名ですね。女性の同性愛、今で言う「百合」ですね。
今と違う使い方をする言葉もあり。例えば「エッチ」、今なら性的な意味ですけど当時は「良人」「夫」を指す意味でした。
「タイガー」はラグビー選手の意味、1920年代には1500ものチームがあったそうで大人気ですね。
略語も色々、「とてき〔とても素敵〕」「ざくばら〔ざっくばらん〕」など、今も昔も略語は多い。
明治から昭和初期までに流行った言葉を見ることで当時の思想や人々の行動が判って大変楽しい本です。ぼんやり眺めても読み込んでも良い本です。
面白かった。