「ぴぷる‐AIとの結婚による恋愛の哲学的考察」原田まりる著を読んだ

 「ぴぷる‐AIとの結婚による恋愛の哲学的考察」原田まりる著/河出文庫を読み終わったので感想を書きたいと思います。

 時は2036年、AIとの結婚が狩生となった年に主人公・摘木健一は失恋を機に性交渉機能搭載美少女AIと結婚して起きる種々の出来事の物語。

 「ぴぷる」と名づけられた美少女AIとのなかなか上手くいかないコミュニケーションは割と少なめ、本筋は摘木の周囲の人達との物語・・・取引先の口が悪い医者とその友人、AI開発の人との関係が上手く保てない女性、憧れの女性〔実は地雷女〕などとの関係の物語です。

 「人はなぜ人を好きになるか?」「人との関係とは?」などに迫っていく小説ですね。美少女AI「ぴぷる」と主人公の関係構築に期待していると物足りないかも・・・周りを取り囲む人間は個性的で一癖も二癖もあって、こちらの方がメインで面白いです。

 近未来SFとしては良い作品ですね。

 あと15年で2036年ですね、その頃には美少女AIは出来ているでしょうか?不気味の壁を乗り越えて普通に使えるものが出来ていれば嬉しい限りですね・・・老後の世話をしてくれれば嬉しいんだけど、出来ても高そうだな、暴走したら恐いよね・・・などと期待と不安を持ちながら本を読み終えました。