「バナナの皮はなぜすべるのか?」黒木夏美/ちくま文庫を読み終わりました。
古典的ギャグの代名詞「バナナの皮すべり」の起源は?という人類の根源的な問題について解き明かそうとした本であります。
こういう事を真面目に研究した本、大好きであります。
「バナナの皮すべり」、この一つの古典的ギャグから「笑いの根源」「日本でいつからバナナが普及したか」「バナナ共和国」「世界に広がるバナナの皮ギャグ」「お約束ギャグとは」「バナナの皮と日本文学〔俳句や短歌も含む〕」「戦前日本のバナナの皮」「アメリカ喜劇」そして本題である「バナナの皮がギャグになるまで」〔昔、欧米では果物の皮があちこちに捨てられていて実際に転ぶ人が大勢いた・・・詳しく知りたい方は読んでください〕」「バナナの皮を捨てたらどんな罪」「実際に起きたパナなの皮での転倒事故」「実際に試してみた」と話は広がります。
知的好奇心が刺激されます、読んでいて知的好奇心がワクワクします。
解説でパオロ・マッツァリーノ氏が「文化史研究の本は売れない」と書いていますが私は大好きであります。昨日も「見世物」のほんを買いました、前には「落とし紙以前」というトイレットペーパーが普及する前にどんなものでお尻を拭いていたか書いた本や人車鉄道の本も買いました。路上観察学の本を買い込んだ時期もありましたね。
「すぐに役立つHow to本」とは対極の位置に存在する本ですけど、こんな本を読めるって幸せなことですよね。
変な連中が「アレは駄目これは駄目」「みんなが楽しめる作品じゃないと駄目」と訴えすぎて表現が制限される世界なんかまっぴらです。