「巨乳の誕生‐大きいおっぱいはどうよばれてきたのか」安田理央著を読み終わった

「巨乳の誕生‐大きいおっぱいはどうよばれてきたのか」安田理央著/太田出版を読み終わりましたので感想を書きたいと思います。

 

 「巨乳」と言う言葉がいつ作られ、いつから使われ出したかと言う事を多くの資料を読み解いて解明していく本です。

 江戸時代の日本では胸〔おっぱい〕はほとんど性の対象とされていなかったそうです〔春画を読み解いた結果〕、そう言えば下半身の性器はやたらと強調されて細かく描かれていますが胸は衣服〔着物〕の下に隠されている場合が多いですね。

 その後、時代は移り変わって戦後には胸の大きな女性がもてはやされるようになりますが「巨乳」という言葉は出てこないそうです。「トランジスタ・グラマー」「ボイン〔大橋巨泉が11PMで朝丘雪路に言ったのが公に言われ出したのが最初とされる〕」「デカパイ」「Dカップ」等々。

 その後の「巨乳」という言葉の誕生と普及、巨乳専門誌「バチュラー」〔今でも続く最古のエロ雑誌〕の果たした役割、松坂季実子の衝撃、反対側のナイン・微乳の存在、爆乳、グラビアアイドルの果たした役割〔特にイエローキャブ所属〕、史上最も売れた巨乳など知的好奇心をくすぐる内容となっております。

 最後に「巨乳年表1871〜2017」が掲載されています。ここに本文に載っていた女性たちの写真が出ているのですが本文に載せてくれた方が判りやすかった気がします〔胸が大きいと書かれてもどのくらいか写真を見ないと実感が湧きません・・・読みながら時々年表を見て確認しました〕。

 作者の安田理央さんは巨乳好きではなく小さくて華奢な胸が好きだそうです〔私も微乳派です、あんまり大きいと圧迫感を感じて駄目なんですよね〕、だからこそキチンと感情的にならずに調べられたのかと個人的に思っています。

 何はともあれ読みやすく内容も濃い良い本でした。次は「痴女の誕生」を読まないとね〔購入済み〕・・・「日本エロ本全史」→「巨乳の誕生」→「痴女の誕生」って発行順の逆ですが良いかと思います。