「超駆逐艦 標的艦 航空機搭載艦‐艦艇学入門講座」を読んで

「超駆逐艦 標的艦 航空機搭載艦‐艦艇学入門講座/軍艦の起源とその発展」石橋孝夫/光人社NF文庫を読み終わりました。

 超駆逐艦標的艦・航空機搭載艦というあまり聞き慣れない艦種についてまとめられた一冊であります。

 厳密に言うと超駆逐艦という艦種は正規の艦種名ではありません、英語ではスーパー・デストロイヤーから翻訳されたものだそうです。最初に駆逐艦の歴史を説明した後で超駆逐艦の解説であります。元祖・駆逐艦の国イギリスそしてフランス、日本、アメリカ、ドイツ、ソ連、中小海軍国について説明。

 超駆逐艦に対して厳密な定義がないので作者の感覚で艦が選ばれています。例えば日本の軽巡洋艦夕張も「超駆逐艦」と呼んでおかしくないと書いています〔言われてみれば、そうかも知れない〕。

 時代も駆逐艦という艦種が出来たときから第一次大戦・大戦間・第二次大戦・戦後・現在まで解説されているが良いです〔第一次大戦についての日本語資料は少ないですからね〕。

 標的艦の記事は珍しいのでありがたいですね。イギリスやアメリカの標的艦はもちろんの事、日本海軍の標的艦の記事もあまり無いですからね・・・海軍が用いた標的の記事も載っていいます。

 航空機搭載艦については航空機の前の気球の時代から書かれています〔これも貴重〕、南北戦争当時から艦の上で気球を運用してたのですね、凧も使っていたのですね。その後、普通の航空機の運用、空母の歴史、最後に潜水艦における航空機の運用の解説です。

 図面も多数載っております。珍しい艦の資料も多くて面白かったです。