「読書感想文」って必要?

 子供達は夏休みです。

 夏休みと言えば宿題、宿題で困るのが自由研究と読書感想文というのは今も昔も変わらないようです・・・私も両方とも嫌いでした。

 ネットを徘徊している下のような文書を見つけました。

小学校が読書感想文の解答マニュアル配布 「基礎教えるのに良い」「個性育たない」と賛否 - Excite Bit コネタ(1/2)

 今まで無かったのが不思議なほどです。

 いきなり「読書感想文を書きましょう」と言われても困ります。

 小学校の低学年の子供にも出される課題ですよね。

 本は課題図書があったりして選ぶ参考になるんですが〔あんまり面白そうな本が推薦されていた記憶がありません〕書き方は判りません。

 いやいや本を読まされるのも嫌ですよね・・・読んだ本が読んだ人にとって面白いとも限りませんし・・・確かに「嫌なことを我慢してする」というのも大事な学校にいるときの訓練ですけどね。

 まだ「こういう書き方がありますよ」という例があれば参考になります、社会に出て書く必要がある文書〔書類〕にはフォーマットがあって、それにそって書くことが多いです、変にオリジナリティを発揮しても問題です〔クリエイティブな仕事なら別なんでしょうけど〕。

 

 心配なのは本嫌いが「読書感想文」のせいで「本が嫌い」な子供が増えている一因じゃないかと思ってもいます、「感想文」を書くために読む本ほどつまらない読書は無いですよね・・・読んでも「つまらなかった」と思うだけの事もあるでしょうし〔特に教師が決める課題図書〕、教師が決めた課題図書の感想文で「つまらなかった」とも書くづらいでしょうし〔内申が絡んだりしたら特に・・・私は内申がない環境だったので課題図書がいかにつまらないか延々書いたことがありましたが・・・そのとき国語の先生がB判定をくれたのには驚いたな、器の大きな先生だった〕、「読書感想文」の重要な意味の一つである「本を好きになる」にはほど遠い気がします。

 逆に最近よく聞く「朝の読書運動」って言うのは良いと思います。毎朝決められた時間本を読む、読む本は自由、自分で選んで読む、感想文は書かなくて良い・・・これが大事だと、本当に良いと思ったら自発的に感想を書いたり人に勧めたりしますよ・・・今はSNSやブログもありますし。

 

 もう一つ、今の情報環境で「本を読むのは本当に必要か?」という問題。

 私は自他共に認めるビブリオマニアであり部屋には本が溢れている環境で生活していますが社会的に見て成功しているとは言えませんよ。

 「多読のススメ」という本を立ち読みしたのだが内容が薄かったですね、帯には「本を読む人と読まない人では知的格差はもちろん収入格差が生じる」なんて書いてありましたけど、嘘ですね・・・「私を見ろ!」と言いたいです。

 私は本が好きで面白いから読んでるんです・・・「偉くなりたい」なんて思ってないですよ・・・「好きなだけ本が読みたい」それだけです

 

 「読書感想文」課題やコンクールなんて要らないと思いませんか?

「犬の伊勢参り」仁科邦男

「犬の伊勢参り仁科邦男/平凡社新書

 「江戸時代の明和8年〔1771〕、犬が単独で伊勢参りを始めた」と聞いて信じる人がどれだけいるだろうか?この本はそれが事実かどうか検証するところからはじまります。調べてみると記録が出てくる出てくる、犬どころか豚や牛まで・・・。

 元々、伊勢神宮では色々な理由で犬は嫌われていたようですが〔殿上で吐いたり糞をしたり色々あったようです〕・・・ところが江戸になって「犬のお伊勢参り」が割と日常的になってしまった実態が書かれています。

 と言っても犬が自主的にお伊勢参りをしたわけではなくお伊勢参りにする人達について行き親切な旅行者や街道の人達のお世話になりながら伊勢にたどり着きお札等々をもらって帰り道も色々な人の世話になりつつ帰ったというのが真実のようです〔犬には「伊勢参り」の目印と手紙やお金がつけられていたようで、それを見た人が申し送るように連れて行ったようです〕

 この本を読んでると江戸時代の平和さの一面を感じられますね、お金やお札をぶら下げていても取られることが無かったと言うことですから〔江戸時代にも山ほど物騒な出来事はあるんですけど・・・「江戸の少年」氏家幹人等々参照〕

 とても知的好奇心を刺激する本でした。

TH№67異・耽美

「TH〔67〕異・耽美‐トラウマティック・ヴィジョンズ」アトリエサード

巻頭からグロなドールの写真が載っているので要注意〔私も買って開けてびっくり〕。

「耽美」と言っても「BL」だけじゃなく「異端耽美」、どちらかというと「グロ」成分多し、と言ってそれだけでもない・・・「異端」に重点が乗っている感じ。

「男色」「ホラー‐四谷怪談・武州公秘話」「少女愛」等々。

小説や映画の紹介はいつも通りで参考になります。

後半はいつもの評論・・・「エロとグロとヘイトの自由」釣崎清隆は興味深い。

怖い図版多数でした。

世界の傑作機№174フェアリー・ソードフィッシュ

世界の傑作機〔174〕フェアリー・ソードフィッシュ」文林堂

待ちに待った機体の一つですね。

世界の傑作機」で複葉機って「海軍零式観測機」しか今まで出てなかった気が・・・

第二次大戦時のイギリスの主力雷撃機です、はっはり言って第二次大戦時には旧式機でしたが〔日本海軍は単翼金属機97式艦上攻撃機が主力〕ドイツ海軍には空母が無くドイツ空軍の戦闘機は航続距離が短いので空母に搭載されたソードフィッシュは力を思う存分発揮しました。

巻頭にはカラー写真〔実物が残っているのでディテールの写真も多数〕と透視図、塗装図。

本文には「開発・各型・運用」「イギリス雷撃隊の誕生と終焉」「戦記」「元パイロットへのインタビュー」「使用部隊・搭載空母一覧」「海外での使用」とたっぷりです。

モノクロ写真も豊富。

今まで「世界の傑作機」でこの機体が出ていないのが不思議だったぐらい。

 

本当にありがたい資料です。

「普通の女子高生が【ろこどる】やってみた。」5巻

「普通の女子高生が【ろこどる】やってみた。〔5〕」小杉光太郎/一迅社

ひょんな理由から普通の女子高生奈々子ちゃんと縁さんがローカルアイドル「流川ガールズ」を編成して頑張るお話・・・アニメ化が一昨年ですか。

待ちに待った5巻の発売であります。

流川ガールズ結成1周年ライブが無事成功したところまでが4巻、その後の新しい展開がこの5巻。

魚心くん1周年のイベントがあったり、隣町のろこどるが登場したり、CDを作ったり新しい登場人物が話しに絡み出したり・・・でも基本は「まったり」進行、そこが良い訳なんです。

アイドルものって過去から色々あるわけですが〔最初はアニメの「さすらいの太陽」?「ピンクレディ物語」って言うのもあった記憶が・・・「マミ」はちゃんと見たな、ピエロ4部作の最初ですね〕、私は一番この作品が好きです。何度読んでも心がほのぼのする作品です。

6巻が待ち遠しいです〔来年ぐらいですね〕、アニメの2期も出来れば〔OVAは出たけど〕

航空ファン2016年9月号

航空ファン2016年9月号」文林堂

7月なのに9月号です・・・季節感がずれます。

特集は「空母ジョンC.ステニスと対中国想定演習」・・・何かときな臭い南シナ海と米中関係の話。

巻頭カラーにF-35Cのリムーア基地での試験の様子、A,B,Cの各型で一番開発が遅れているのがC型のようです、やっぱり「陸上機→艦上機は上手くいかない」のジンクスは生きているようで〔陸上機YF-17を改造してF/A-18として採用したのぐらいでしょうか〕、艦上機は難しいですね。

「C-2量産初号機、ついに納入」・・・やっとであります、強度不足の問題も解決したようで一安心です。

「MC-21ロールアウト」・・・ロシアの150〜200席クラスの新型旅客機がロールアウト、最近このクラスの旅客機はエアバスボーイングの2社の独占でしたから先進空力ボディ等を採用したロシア機がどこまで売れるか興味深いです。

センターカラーは「レットブル・エアレース2016千葉」で優勝した室屋選手のインタビュー、できれば先月号に掲載したらもっと良かったのに。

「Old Rhine beck Aerodrome」・・・アメリカには航空黎明期から第一次大戦前後の機体がこれだけ飛べる状態で残っているのが凄いです。

 

後はいつもの通りの編成でした。

生誕130年記念藤田嗣治展‐東と西を結ぶ絵画

「生誕130年記念藤田嗣治展‐東と西を結ぶ絵画」兵庫県立美術館

7月24日に行って参りました。

藤田嗣治の絵画は数点しか見たことがないのでこの機会に見ておくことにした。

全体を通して言えるのは人物画の目の強さ・・・まさに「目で語る」は藤田嗣治の絵のためにあるのではないかと思うほどです。

風景画も独特の雰囲気・・・明るいわけでもないけど暗いわけでもない不思議な感覚。

藤田嗣治の絵では猫がよく出てくるので有名ですが犬も結構出てきます、どちらも可愛い。

他の絵と一線を画しているのは戦争中に書かれた絵・・・「アッツ島玉砕」「ソロモン海峡における米兵の末路」「サイパン島同胞巨節を全うす」の3作品の迫力の出し方は他の作品とまったく異質なもの、迫り来るものを感じます。

 

出展点数も多く見応えのある展覧会でした。