「大きな音が聞こえる」坂本司/角川文庫
青春小説
普通のサーフィン好きの高校生、というより大学の付属に行っているので恵まれた高校生がちょっとしたきっかけからアマゾン川のポロロッカ〔月の位置の関係で起こる大逆流〕に乗ろうとする物語
文庫で700ページを越える大作
ポロロッカを知るところからブラジルまで、それはそれは色々と乗り越えないといけないことがあります・・・お金のこと、両親の説得、旅の準備〔ただブラジルに行くだけじゃありません〕、語学・・・一つ一つ乗り越えていくのが青春小説の醍醐味
挫折しそうになったりすることもあるけど自分の力で乗り越えたり助けてもらったり着実に、時には急展開も・・・ページ数が多い分だけエピソードは山盛り、でも読みづらさも「くどさ」もない・・・ページ数から一気に読み切るところまでは行かないけどサクサク読める、読書後の感覚も良い作品
そして坂本司作品に共通する点・・・普通に働いている人達にきちんと敬意を払っているところ、これが良いので読書後の気持ちがよりいっそう良くなるのだと思う