「ギュスターヴ・モロー展‐サロメと宿命の女ちた」あべのハルカス美術館を見てきた

 「ギュスターヴ・モロー展‐サロメと宿命の女ちた」あべのハルカス美術館に8月11日に行ってきました。

www.aham.jp

 ギュスターヴ・モローの作品をあまり見たことが無いので見てきました。

 いつものように展示順に感想を書いていきたいと思います。

 第1部は「モローの愛した女たち」・・・最初はモローの自画像です。次は母親のポーリー・モローの鉛筆画、母を愛していたモローは母の鉛筆画を残しています。次に13歳で早世した妹のカミーユ、そして結婚しなかったが生涯愛した女性アレクサンドリーヌ・デュルーの絵が続きます。自分や家族、そしてデュルーのお墓のデザイン画も残っています。絵の上手い画家の鉛筆画の鉛筆画やデッサンが好きです、さらさらと書いたと思われるの綺麗な作品が多いです、私のように「アメトーーク・絵心のない芸人」に出られそうな画力の人間にとっては羨ましい限り〔有名画家と比べる方が間違え〕。

 そして最期に「バルクと死の天使」、これがとてつもなく格好いいんですよね。騎乗する死の天使が良いです。

 

 第2部は「《出現》とサロメ」・・・モローと言えばサロメであります。最初に「洗礼者ヨハネの斬首」が展示してあります。「ヨハネの斬首」についてはコンポジションも展示してあります。最初の「サロメ」が良いです。「出現」も大作で素晴らしい。

 

 第3部は「宿命の女たち」・・・「ファム・ファタム」です。ヘレナにデリラにメッサリーナ、歴史上の女性〔伝説の女性達〕が描かれています。顔をはっきり描かない方が綺麗ですね。ここのコーナーが充実してます、良い絵が多いです。

 

 第4部は「《一角獣》と純潔の乙女」・・・昔から「一角獣は純潔の乙女でないと飼い慣らされない」と言われております。モローは一角獣と乙女の絵も多く描いています。ここも良いですね。

 

 ギュスターヴ・モローの良い作品が多く見られます〔習作も多く展示されているのも良いです〕。良い展覧会でした。

 BS日テレの「ぶらぶら美術・博物館」で予習が出来ていたことも大きいと思います。

 あべのハルカス美術館は地下鉄と直結しているので、今年の夏の暑さをあまり感じず見に行けるのも良いと思います。すぐ近所の大阪市立美術館で行われている「メアリー・エインズワース浮世絵コレクション展」は見に行く元気がありませんでした〔外を少し歩かないと駄目ですからね・・・今年の暑さはオッサンにはきついです、9月になったら行きたい〕。

「明治から昭和を生き抜いた船 信濃丸の知られざる生涯」宇佐美昇三を読んだ

「明治から昭和を生き抜いた船 信濃丸の知られざる生涯」宇佐美昇三/海文堂を読み終わりました。

 

信濃丸の知られざる生涯―明治から昭和を生き抜いた船

信濃丸の知られざる生涯―明治から昭和を生き抜いた船

 

 日本海海戦での「敵艦見ユ」の信号発信で日本艦艇史に名を残す「信濃丸」の生涯について書かれた本です。

 「信濃丸の生涯は凄すぎる!」というのが感想です。

 明治に生まれて解体完了したのが昭和27年!。その間に日本海海戦だけでなく日本の歴史の色々なところに姿を現しているのです。

 信濃丸は1900年に英国グラスゴーで進水、当時の世界最大級の貨客船でありました。同年4月に竣工して日本に向かいました。当時の船長は英国籍のパーソンズであります。当時の日本郵船は一気に15隻を発注したのです。

 信濃丸は英国で建造された三笠のために海軍将兵300人を運ぶ仕事もこなしています〔このあたりからも日露戦争との関わりが・・・〕。

 日露戦争が始まると信濃丸は海軍の特設巡洋艦となり哨戒任務に就くことになります、そこで有名な日本海海戦での「敵艦見ユ」の信号を打電した話は有名、この件の本当の本当を探る記事も細かく書かれています。

 日露戦争が終わった後も「香取」「鹿島」の回航要員運搬についています。その後は北米航路そして内台航路〔日本〜台湾〕に就航します。

 昭和に入ると北進汽船から日魯漁業へ移籍、北洋漁業の補給を行ったり冲取工船になったり〔船の中で鮭鱒の缶詰製作〕とすっかり漁業関係船。

 第二次大戦になると輸送業務、潜水艦に沈められることも空幕で沈むことも無く終戦ラバウル水木しげるを運んだ〕、戦後は復員船として活躍〔大岡昇平がフィリピンから帰還するときに乗る〕。

 朝鮮戦争が始まると米軍を釜山に運ぶ任務も。

 1951年になってやっと退役して解体〔翌年完了〕。

 かいつまんで書いたつもりですが、とにかく色々あった船です。

 他にも信濃丸の塗装中に吉川英治〔当時、船渠工〕が墜落して大怪我したりします。他にも利用した有名人多数。

 濃い歴史を持った信濃丸の生涯を「シーパワー」や「シーマンシップ」「当時の客船旅行」などのお話を混ぜながら書かれていて読みやすいです。

 艦尾には要目・年表・人名索引・船名索引が付いていて親切です。

 良い本に巡り会えて良かったと思う本です。

「世界の艦船増刊精鋭自衛艦のすべて〔4〕「あさひ」型護衛艦」を買ってきた

 「世界の艦船2019年8月号増刊精鋭自衛艦のすべて〔4〕「あさひ」型護衛艦」を買ってきました。

 

 このシリーズも4冊目になりました。

 あさひ型護衛艦「あさひ」と「しらぬい」の2隻の解説本です。

 第1部は「洋上の「あさひ」型」・・・大きな写真が多く細かいところまで判りやすいですね。 

 第2部は「艦上および艦内」・・・ディテール写真となります、1ページに1〜2枚、コラムが載っているところでも3枚と大きな写真で解説は少なめ〔イカロス出版の「世界の名鑑シリーズ」は写真が小さめで文章が多め、この辺が対照的です〕。艦内の写真が多いところも良いですね、とくに「あさひ」型から採用されたCOGLAG機関の写真が多いです。

 第3部「デザインと建造工程」・・・図面と建造中の写真、「あさひ」が多いです。

 その後、本文となります。

 「あさひ型DDの運用構想」香田洋二

 「あさひ型の技術的特徴〔1〕船体・兵装」德丸伸一

 「あさひ型の技術的特徴〔2〕機関」内嶋修

 「汎用DD搭載機の現況と将来」石川潤一

 と、いつもの「世界の艦船」増刊の編成となっていますが、いつもより判りやすい感じがします。

 このシリーズの前巻である「いずも型護衛艦」よりも良い写真〔ディテールが判りやすい〕が多いですね、今後もこのレベルの編集をお願いしたいです。

 

 次の増刊は「傑作軍艦アーカイブ・米空母ヨークタウン級」だそうです、たのしみです。

「はたらくくるま」問題と表現の自由と…

 皆さんご存知と思いますが「はたらくくるま」という子供向け図鑑に自衛隊の戦車を初めとする車輌が載っていたとして抗議を受け増版しないという決定を出版社がしました。

 

nlab.itmedia.co.jp

 とんでもない話ですね。

 問題ありすぎです。

 抗議したのは共産党系の団体ですね。共産党自衛隊というと抗議しないといけない規則にでもなっているのでしょう〔神戸の百貨店で自衛隊の展示をしようとしたところ抗議して中止させました〕。

 戦車も装甲車も「はたらくくるま」です、国を守ったり災害救助をしたりしています。兵器と言うだけで条件反射で反発するのは変です。職業差別と言っても良いぐらいです。

 この前の選挙の時も「共産党表現の自由を守ります」と言っていましたが嘘でしたね。彼らの言う「表現の自由」は自分達の意見だけが自由に言える「表現の自由」なのです、自分達と違う意見を言う自由はないのです。

 「表現の自由」というと共産党の人も意見を言う自由がありますから「自衛隊装備粗品を載せるな」という意見を言う権利は確かにあります、でもね・・・自分達が嫌なものは世界から全て排除しようという考えと行動が嫌。日頃、「多様な価値観を認めよう」と言っておきながら、こういう事を言っているから支持率が上がらない気がするのです〔それ以外の問題も山ほどありますが〕。

 私も自他共に認める活字中毒なのでよく巨大書店に行くのですが嫌な本など山とあります、でもね抗議したりしませんよ無視するだけ、見ないだけ、買わないだけです・・・。日本には出版の自由がありますからね、盗作のような場合じゃなきゃ存在を認めないと駄目ですね〔そう言えばアニメ・マンガ規制の急先鋒の人の本に無断転載があって問題になった事がありましたね〕。

 

 抗議を受けた講談社ビーシーの対応もまずい、抗議を受けたとしても断固拒否すれば良いのです。こういう抗議を受けてすぐに増版中止にするから調子に乗るのです。

 

 多分、今までもこういう抗議があっていくつもの本が潰されたり行事が中止になった事があったのでしょう。

 言論・表現・出版の自由は民主主義の根幹ですからね大事にしたいものです。

「ジミ艦2〜だれも見たことないジミなマイナー艦船模型の世界〜」米波保之著を買ってきた

 「ジミ艦2〜だれも見たことないジミなマイナー艦船模型の世界〜」米波保之著/大日本絵画刊をしばらく前に買ってきました。

ジミ艦2: だれも見たことないジミでマイナーな艦船模型の世界

ジミ艦2: だれも見たことないジミでマイナーな艦船模型の世界

 

  4ヶ月ごとに発売される雑誌「NAVY YARD」に連載されているものを加筆して一冊にまとめた本の第二弾であります。

 とにかくマイナーな艦を中心に取り上げ模型化してしまうという連載、最近は艦これ等のブームのせいで今までは濃い艦船マニアしか知らない艦も有名になりインジェクション・キットになってしまうという良い時代になったのですが〔今、学生時代のように艦船模型を作っていたら破産してる〕、それでも、あまり知られてない艦艇を模型化しています。

 取り上げられている艦艇は第1部「ジミ艦!スタンダード」

 「帝国海軍給油艦 足摺」1/700ビットロード

 「アメリカ海軍スチュワートDD−214/帝国海軍第102哨戒艇」1/700フライホーク

 「帝国海軍航空母艦 神鷹」1/700フルスクラッチ・・・おまけとして「大鷹」「冲鷹」

 「帝国海軍給糧艦 伊良湖」1/700ピットロード

 「帝国海軍千鳥型水雷艇」1/700ピットロード・・・改装後と新造時〔キットは改造後〕

 「帝国海軍二島巡洋艦 八十島」1/700フルスクラッチ・・・艦これに実装されていない第二次大戦時の日本海巡洋艦

 「帝国海軍潜水母艦 大鯨」1/700アオシマ・・・新造時に改造

 「海上自衛隊護衛艦 わかば/帝国海軍駆逐艦 梨」1/700ピットロード〔わかば〕、1/700タミヤ〔梨〕

 「海上自衛隊給油艦 はまな」1/700フルスクラッチ・・・海自最初の給油艦

 「帝国海軍敷設艦 厳島」1/700フルスクラッチ

 

 第2部「ジミ艦!インコンプリート」

 「フランス海軍ジャンバール」1/700ピットロード「リシュリュー」改造。第2砲塔未完成時

 「帝国海軍航空母艦 伊吹」1/700フルスクラッチ

 「帝国海軍戦艦金剛代艦藤本案/平賀案Design”X”」1/700フルスクラッチ

 「帝国海軍大型巡洋艦超甲巡B−65」1/700フルスクラッチ

 

 第3部「ジミ艦!オールドタイマー」

 「帝国海軍巡洋艦 筑紫/清国北洋水師快船 超勇」1/700Sモデル、こんな船のインジェクションキットがある時代って・・・

 「帝国海軍防護巡洋艦 畝傍」1/700フルスクラッチ、幻の巡洋艦、どこで消えたのだろう?いまだに謎、故ポール・アレンのチームでも見つけられないと思う。

 「帝国海軍駆逐艦 松〔初代〕/橄欖〔かんらん〕」1/700フルスクラッチ

 「帝国海軍航空母艦 若宮」1/700フルスクラッチ

 「帝国海軍敷設艦 常磐」1/700シールズモデル

 

 第4部「ジミ艦!ヨーロピアン」

 「スウェーデン海軍航空巡洋艦 ゴトランド」1/700フルスクラッチ、艦これで一気に有名になった艦、私も名前しか知らなかった艦。模型になると艦型や武装配置が判りやすい。

 「イタリア海軍重巡洋艦 ザラ」1/700フルスクラッチ、こちらも艦これで一気に有名になった艦、ゴトランドよりは有名。

 「イギリス海軍駆逐艦 キャンベルタウン」1/700フライホイール

 「ポーランド海軍護衛駆逐艦 クヤヴィアック/イギリス海軍護衛駆逐艦バズワース」1/700IBG

 「イギリス海軍フラワー級コルベットイギリス海軍リバー級フリゲート」1/700アオシマ、シールズモデル

 「イギリス海軍航空母艦 ユニコーン」1/700フルスクラッチ

 「フランス海軍航空母艦 ベアルン」1/700フルスクラッチ

 

 この巻もマイナー艦がぎっしりですね。これだけ、よく作り上げたと思います。

 私も今を去ること数十年前の学生時代〔グリーンマックスからピットロードに移る前〕、当時は多くの艦艇がキットになってない時代に勢多型砲艦や飛行艇母艦秋津州を自分でフルスクラッチや改造で作ったことがあるのですが下手で下手で他のインジェクションキットの艦と比べるとみすぼらしくて・・・止めた記憶があります。模型の腕は上がらず社会人になってからは資料屋になり模型は「鑑賞するもの」になった私にとっては「凄い」としか言い様がありません。

 ジミ艦ですので資料も少ないはずなんですけどね〔参考資料欄に載っている本をかなり持っているのですが、よくそれだけの資料で作り上げたなと思う艦も多いです〕、大変だったろうと思います。

 実艦の記事もちゃんと載っていますし図面も載っているので私のような資料屋にとっても大変ありがたい本です。

 唯一の欠点は価格ですかね・・・大日本絵画の本は良い本が多いのですが値段が高くて多くは買えないのです〔内容がマイナーなだけに、そんなに売れないんでしょうけど〕。

 連載がまだ続いているので「ジミ艦3」も期待しております。

「昭和40年男2019年8月号特集消えた…俺たちの夏」を読んだ

 「昭和40年男2019年8月号特集消えた…俺たちの夏」クレタパブリッシング刊行を読みました。 

昭和40年男 2019年8月号 [雑誌]

昭和40年男 2019年8月号 [雑誌]

 

 表紙は「何を言う、早見優」でおなじみの早見優さんが現役アイドルだった頃の写真です。巻頭インタビューも早見優さんです・・・夏特集にぴったりの選択です。

 

 第1特集は「消えた…俺たちの夏」、40年世代の少年から若者時代の夏について記事です。

 「夏休み」・・・ラジオ体操は行ってたよね、プールは強制じゃなくて登校日の一日だけあった。普段見られないお昼のテレビは楽しみでしたね、ここに書いてある「ベルトクイズQ&Q」は本当に楽しみでした、朝からアニメや特撮の再放送もあったし、「あなたの知らない世界」は親が嫌いだったので見られませんでした〔Q&Qの裏番組だったし〕、とにかくテレビは見てたよね、外に出歩かない子供でしたから。

 「ふたりの愛ランド」・・・懐かしい、よく聞いた。

 「レコードジャケットに見るスレスレビキニのサマーガール」・・・良い夏の風物です。

 「音頭DJスペシャル」・・・子供向け番組は夏になるとエンディングが音頭になるんですよね、最近はありませんが・・・いつから消えたんだろ、最近だと「物語シリーズ」の「偽物語」ぐらいか・・・。

 「モテカー・オブ・ザ・サマー80’s」「ホットドッグ・プレス」「新島ナンパ伝説」・・・引きこもり系オタクの私には関係の無い世界。憧れていたけど自分とは時空が違うと思ってましたから・・・涙。

 「芸能人水泳大会」・・・消えた夏の象徴。最近は色々とうるさいので無くなりました〔本当にうるさい、他に・・・以下自主規制〕。CS当たりで復活すれば良いのに〔アダルトチャンネルならあるか?契約してないので不明〕。フックンへのインタビューあり。82年デビュー組強し。

 「夏!カタログ・コレクション」・・・最近はこんなの無い、寂しい、色々と五月蠅いからね。

 「マンガの中の水着の天使たち!」・・・懐かしい!サンデー系は強い!ジャンプもそこそこ強い!〔作品は少ないけど「キャッツアイ」「ウイングマン」「気まぐれオレンジロード」は強い〕。

 「性春映画」・・・野球のない日のUHF局でよくやってました、お世話になりました。

 

 第2特集は「昭和56年」・・・ピンク・レディ解散、江戸川区通り魔無差別殺人のあった年です。

 「横浜銀蠅」・・・オタクとは離れた存在。苦手でした。

 「写真時代」・・・これこそサブカルチャー雑誌、あんまり読めなかったのが残念。

 「国際プロレスが新日本に参戦」・・・お約束のプロレス記事。潰れた国際プロレスからラッシャー木村アニマル浜口寺西勇が新日本参戦、ラッシャー木村の「こんばんわ」事件ですね〔残りの選手は全日本へ〕。国際軍団がやられ役過ぎて気の毒でした、国際プロレス中継見てましたからね・・・「金網デスマッチでやれば勝つんじゃないか」などと思ってました。結局、色々あってアニマル浜口以外は全日本へ〔浜口もジャパンプロレス時代に全日本に〕、ラッシャー木村テトラポッドの美学からマイクの鬼となって全日本に骨を埋めました・・・懐かしい。

 

 その他の記事。

 「西の国から吹くコラム・モーレツ!!しごき教室」・・・やすし・きよし師匠が司会でしたね、面白かったな。

 「食中毒」・・・怖いです、胃腸の弱い私には天敵です。

 「俺たちのアイドル・杉浦幸」・・・なんか眼が怖かった記憶が、この号の写真を見てもやっぱり怖い。

 「昭和鉄道940系・広島電鉄」・・・路面電車博物館ですね。

 

 この号も読み応え十分。

 

「いい階段の写真集」BMC著/西岡潔写真を読んだ

 「いい階段の写真集」BMC著/西岡潔写真/パイインターナショナルを読みました。 

いい階段の写真集

いい階段の写真集

 

  「怪談の写真集」ではなく「階段の写真集」です。

  前作の「いいビルの写真集west」に続くBMC著/西岡潔写真/パイインターナショナルの本になります。 

いいビルの写真集 WEST

いいビルの写真集 WEST

 

  前書きによりますと「いいビルの写真集」の写真を撮っているうちに撮影の西岡潔さんが階段から離れられなくなり、この本の作成となったようです。この本の写真を見ていると確かに魅力的な階段ばかりなのです。階段だけで一冊の写真集がちゃんと成立するのです。

 前半部〔というより7割ぐらい〕は「いい階段40選」として関西を中心に階段が紹介されています。関西中心というのが関西在住者には嬉しい限り、見に行こうと思えば見に行ける階段があります〔注意書きにもありますが見学不可の階段も多数あり〕。

 個人的に好きなのは大阪府中之島図書館、大阪ビル旧館、国際ビル、ヤクルト本社ビル〔近未来的だ〕、大阪心斎橋店本館〔行ったことあり〕、山本仁商店、綿業会館〔鉄製の非常階段格好いい〕、パレスサイドビル〔ステンレス製独特な構造〕、生駒ビルヂング大阪駅前第2ビル〔ここも行ったことあり、噴水がある〕、大阪倶楽部〔木製手すり渋い〕等々、他のにも良い階段あり。

 後半は「いい階段の見どころ」としてパーツ別鑑賞法の案内。手すり、金物、踏板・床面、照明、階数表示〔階数表示のフォントが凝っていて良い〕、階裏、その他を紹介してます。

 最後に「村野藤吾の鉄製階段」として階段の作り方が載っています。図面を引いて工場で一階組み立てて分解して現場で組み立てる・・・現場に持っていって修正して合わなかったら作り直し、大変です。

 他にも「曲がる木製手すり」や「テラゾー〔この本で初めて詳しく知った〕のささら」の作り方なども載っています。

 階段だけで一冊成立するほど階段は奥が深いですね、第二弾の発売が待たれます。

 前作に続き良い本でした。

 次は「喫茶とインテリアWEST」を買わなければ・・・。

喫茶とインテリア WEST

喫茶とインテリア WEST