「世界の艦船9月号増刊傑作軍艦アーカイブ〔4〕米戦艦「アイオワ」級」を買ってきた

世界の艦船9月号増刊傑作軍艦アーカイブ〔4〕米戦艦「アイオワ」級」海人社を金曜日に買ってきました。

 世界の艦船増刊で「アイオワ級」といえば1984年8月号増刊「よみがえる戦艦‐注目の米アイオワ級4隻を追って」がありますが何しろ33年前の本ですし、レーガン政権になってトマホーク・キャリアーとして復帰する前後の本です。

 後はイカロス出版から「世界の名鑑・アイオワ級」が出ていましたが今は絶版となっております・・・私も出たことに気づかずに気づいたときには絶版となっていて持っておりません。

 ということですから貴重な出版ですね。

 さて本の内容の紹介です。

 巻頭はカラー写真、戦中の写真からトマホーク・キャリアー時代の写真が掲載されてますが、やっぱりトマホーク・キャリアー時代が多いのは仕方ありません。カラーページには1/700模型のミズーリとカラー側面図。カラー側面図に迷彩塗装例が無いのは残念。

 モノクロ写真は「アイオワ」「ニュー・ジャージー」「ミズーリ」「ウィスコンシン」各1隻ずつ取り上げられています。特集本なのでディテールの写真もあちこちに、こちらもトマホーク・キャリアー時代の写真が多いです。

 本文の最初はタミヤ1/700ミズーリの作例、艦船模型雑誌に出ているような超絶テクニック作品ではありません〔他のアイオワ級のキット紹介もあり〕。

 その後に「開発計画と運用構想」「船体」「兵装」「機関」「装甲と防御構造」「航跡〔歴史ですね〕」「航空兵装と搭載機」最後に新造時「アイオワ」とトマホーク・キャリアー時代「ニュー・ジャージー」の折り込み図面が入っています。本文は大変詳しく読み応えがあります。

 他に日本語の資料本も少ないので「アイオワ級」に興味がある方は本屋で内容を確認した上で購入されるのも良いかと思います。

「怖い絵展」兵庫県立美術館を見に行った

 「怖い絵展」兵庫県立美術館を8月10日に見に行ってきたので感想を書いておきます。

www.artm.pref.hyogo.jp

 お盆休み最初の祝日だったので大変混雑していました。この美術館で切符を買う行列があれほど長かったのは初めてです〔私は友の会に入っていて年間パスを持っているので並ばずに入りました〕。

 中も大盛況でありました。

 この展覧会は中野京子さん著「怖い絵」シリーズが刊行されて10年を記念して開催されています。

 「怖い絵」といってもいろいろありまして一見しただけで「怖い絵」もあれば描かれた背景を聞いて初めて怖いと感じる絵もあります。今回の展覧会では「一見して怖い絵」例えば浮世絵の「残酷画」や「地獄絵」みたいな作品は少ないですね。「怖い」というより「おどろおどろしい」「不気味」の方が強い絵が多いと思います。

 この展覧会での「怖い絵」といえば「描かれた背景」などを知ってみると「怖い絵」が多いです。解説がないと何が「怖い」か判らない絵もあります〔音声ガイドを借りれば良かったかな、普段から借りないもので・・・絵の横の簡単な解説じゃ判りにくいかも、家に帰って図録を読んで確認しました〕。

 展示の最初は「神話と聖書」・・・キリスト教や西欧の神話を知ってないと判りづらいかも〔私も詳しくない〕、さすがにセイレーンの伝説は知っているので判りやすい

〔とても綺麗な絵です〕。「ソロモンの判決」は「大岡裁き」の残酷版〔こっちの方が古い〕。

 第2章は「悪魔、地獄、怪物」・・・ビアズリーの「サロメのための挿絵」は興味深い。

 第3章は「異界と幻想」・・・ムンクの「マドンナ」が展示されています。ルドンの「エドガー・ポーに」は不気味。

 第4章は「現実」・・・フイクションよりノンフィクションの方が「怖い」のはお約束、実際に起こったことですから・・・「娼婦」「死刑」「戦争」「殺人」などがテーマ。セザンヌの「殺人」が珍しい。シッカートの「切り裂きジャックの寝室」が展示されている、この作者シッカートは切り裂きジャックの正体として今もっとも有力視されている人ですからね〔P・コーンウェルが私財を投じてDNA鑑定をして犯人説を出しています〕。ムンクの「別離2」「嫉妬」も展示されています。

 第5章は「崇高の風景」・・・「怖い」というより「崇高」感が強い作品が多い。

 第6章は「歴史」・・・この展覧会の最大の見せ場です。この展覧会のポスターに使われているポール・ドラローシュ「レディ・ジェーン・グレイの処刑」はここにあります。1554年ロンドン塔で処刑された若き女王の処刑シーンを描いています。絵がとにかく大きい〔251×302cm〕、描かれている人間が原寸大に近い大きさです、その上緻密に描かれているので凄い迫力です。ギロチンも無い時代のお話なので斧で首を落とそうとする前の状況ですから・・・「怖い絵」ですね。最後のコーナーにこの絵があるのも当然といった感じであります。

 

 色々な知識があればあるほど楽しめる展覧会ですね。再び書きますが音声ガイドを聞きながら見た方が良かったかな?音声ガイドの内容がわからないのでなんとも言えませんが・・・私は家に帰ってから図録で復習しました。

 

 お盆なので駐車場も珍しく並んでましたね。こういう展覧会が盛況というのも珍しいです〔関テレが結構CMを流した影響?それとも中野京子さんの本の人気のせいでしょうか?〕。

 もう一回空いているときに見に行けたらいいかも・・・図録で予習もできたことだし・・・。行けるかどうかはわからないけど、いろいろ行きたいところがありますからね。

「世界の艦船8月号増刊ソ連/ロシア空母建造史」を買った

 「世界の艦船8月号増刊 ソ連/ロシア空母建造史」海人社を購入した。

 故アンドレイ・ポルトフ氏が「世界の艦船」本誌に連載したものを中心に写真と記事を追加した1冊です。

 ソ連/ロシア海軍の空母と言ってもヘリ空母モスクワ級2隻を加えてもキエフ級4隻、アドミラル・クズネツォフ級2隻の8隻しかありません〔建造途中で中止したウリャノフスク級もありますが・・・〕。

 巻頭はカラー写真、続いてモノクロ写真、本文記事の構成となっています。

 写真は見たことがあるのもないのもあり・・・冷戦時代のソ連軍艦の写真を見た世代からすれば綺麗なものです。

 インドに売られてヴィクラマディチャにキエフ級のバクーの改造中やインド到着後の写真、ウリャノフスク級の建造中の写真は珍しいです。

 本文はアンドレイ・ポルトフ氏がソ連/ロシアの空母の歴史について計画艦等を含めて細かく解説されています〔貴重な資料です〕。

 それに追加する形で岡部いさく氏の「ロシア空母の現状と今後」、青木謙知氏の「ソ連/ロシアの空母搭載機」が載っているのでソ連/ロシア空母の基本的な情報はきっちり確保できます。

 購入するかどうかは「ソ連/ロシアの空母」に興味があるかどうかと財布と相談してください・・・面白い本です。

「日本1852‐ペリー遠征計画の基礎資料」チャールズ・マックファーレンを読んで

・「日本1852‐ペリー遠征計画の基礎資料」チャールズ・マクファーレン著/渡辺惣樹訳/草思社文庫を読んで

 1853年のペリー来航の前年にアメリカ・ニューヨークで発売された「日本論」もしくは「日本資料」といえる本であります。

 著者チャールズ・マックファーレンは英国人歴史家で日本への関心を持つ多くの友人に囲まれ彼自身も日本に興味を持つようになり世界各地で著された日本の資料を蔵書していた・・・ただし日本に行ったことはない人間である。

 著者の日本に関する資料の多くは長崎出島に出入りしていたオランダ商館長・商館員・オランダに雇われた外国人〔英国人やドイツ人等・・・当時の日本人にはオランダ人と区別がついてなかったようである〕である。

 おかげで著者は当時としては多くの正しい情報を広範囲に手に入れることができたのだ〔多少の間違いや勘違いがあるのは仕方ない〕。

 著者の日本に対する評価は高い〔幕藩体制に対しての批判はある〕、同時に権力の二重構造〔皇室と将軍〕に関して何度も記述している。

 本書の前半は「日本と西洋の接触」が丁寧に書かれている。戦国時代のポルトガル人来航にザビエル等の宣教師の活動、英国人ウィリアム・アダムス〔三浦按針〕、キリスト教が禁止になった理由、ポルトガル人追放とオランダとの交易、江戸後期のイギリスやロシア船の来航まで書かれています。特に戦国から江戸初期におけるポルトガル人の活動と失敗に多くのページが割かれています。

 同時に西欧人と接触した日本人の行動についても詳しく書かれています。

 後半は日本の地理・歴史・宗教・政治体制・資源・動植物・技術・文化・娯楽等の博物学表記です。

 日本人については「礼儀正しい」「清潔好き」「知的レベルが高い」「女性の地位が高く尊重されている〔西欧では女性の地位はまだまだ低い時代〕」「宗教に寛容〔ただし政権に敵対するものはゆるされない〕」と好評価が多いが「形式主義すぎ」「前例のないことはなかなかやらない」等の指摘もある・・・今でも変わってないか・・・。

 「礼儀正しい」「清潔好き」は他の西欧人が江戸末期から明治初期に書いた本にもよく書かれている〔当時の欧米は不潔でしたからね、岩波文庫「十八世紀パリ生活誌」を読むとパリの不潔さがよくわかる〕、この本は戦国時代から1852年までの「日本と西洋の接触」について丁寧に調べて書かれているのだが戦国時代に日本について書かれた書物〔宣教師の報告等〕にも「礼儀正しい」「清潔好き」と書かれていたらしい・・・筋金入りだ思う。

 また日本とトルコの共通点をかなり上げていることが印象的です。

 

 江戸末期から明治にかけて西欧人によって書かれた本を何冊か読んだことがありますが、この本の分析力はすごいです〔著者は日本に来たことがないのですから〕。

 ペリー艦隊はこのレベルの情報を持って日本に来たことを考えると興味深いです、日本も欧米に関する情報をオランダ経由で知っていたみたいだが〔黒船が来ることもわかっていたのに、あまり手が打てなかった・・・〕この辺の情報収集力が欧米の外交力の強さですね。

 

 面白い一冊でした。

「昭和40年男8月号 特集・俺たちのゲーム体験」を読んで

「昭和40年8月号 特集・俺たちのゲーム体験」を買ってまいりました。

 巻頭特集は「レトロなゲーム」です、ファミコン以前のゲーム特集です。

 懐かしいですね・・・持ってたゲームもあるし友達の家で遊んだのもあるし欲しかったのもありますね。

 最初が野球盤そしてボウリングゲームとその他のスポーツゲーム、ボウリングゲームはやったことありますね。

 ファミリーゲームもいろいろありました。

 コンバットゲームの魚雷戦ゲームは友人の家でやった記憶があります。

 「元祖!?携帯ゲーム」・・・学校のバス旅行等々のお供、今のスマホのゲームの遠いご先祖ですね。

 「任天堂アナログゲーム」・・・ファミコン以前の任天堂は懐かしいです。

 「昔のテレビゲーム」・・・当時のお金持ちの友人がアタリのゲーム機を持っていて遊んだ記憶があります・・・高くて普通の家の子は買えませんでした〔カートリッジも買わないといけませんから高くつくのです〕。

 「電子ゲームの誕生」・・・知ってたけど買わなかったし、あんまり欲しいとは・・・。

 「任天堂ゲーム&ウォッチ」・・・懐かしいです。当時、これを改造して音を出ないようにして授業中でも遊べるように改造してあげたことがあります〔裏蓋を外してスピーカーの線を切って小さなスイッチを付けると切り替え式に出来たのです・・・確か・・・何十年も前のお話なので記憶が怪しい〕。

 

 後半の特集は「昭和58年」・・・フィリピンのアキノ上院議員射殺事件や大韓航空機撃墜事件があった年です。

 「おしん」・・・一大ブームでしたが見ませんでした、「なんで朝から暗いドラマを見ないといけないんだ」と思っておりました。

 「H2Oの『思い出がいっぱい』」・・・アニメ「みゆき」のEDですね、元祖「妹萌え」作品だったような気がします・・・。

 「IWGP猪木VSホーガン、舌出し失神事件」〔プロレス記事が必ずのように載るのが、この雑誌〕・・・衝撃的な試合でしたね、見てましたよ、猪木の失神の後にホーガンがびっくりして呆然としていた印象的でした〔猪木は病院直行〕。でも、この失神が大したことがなかったそうで・・・それを聞いた坂口征二が数日間行方不明になったのは初めて知りました。猪木優勝の予定調和を嫌った猪木の行動が猪木の権威失墜につながり初代タイガーマスク引退、全日本に豪華外国人招集へ・・・ホーガンは一気にスターになり米WWF(今のWWE)で大成功・・・「アントニオ猪木とは、決して完成しない、退廃的芸術作品なのである」との結言は見事。

 「デジタル腕時計ブーム到来」・・・多機能腕時計の登場です、当時はデジタル時計がかっこよかったですね・・・セイコー液晶テレビウォッチには驚いたものです、実際にしている人は見たことないですけどね。

 

 特集以外の記事で気になったのは「あの一球〔4〕竹之内雅史」・・・あの独特なバッティングホームは今でも覚えてます、阪神の主力打者、死球も多かったですね。

 

 今月号は読み応え十分でした。

再び「ベルギー奇想の系譜」展に行ってきた

「ベルギー奇想の系譜‐ボスからマグリット、ヤン・ファーブまで」兵庫県立美術館

www.artm.pref.hyogo.jp

 開催初日に行ったのですが、その1週間ぐらい後に券をいただいたので、もう1回行ってまいりました〔7月1日〕。

 開催初日より混んでいました、特に最初に展示されているボス工房の絵は混雑です。なにしろ1枚当たりの情報量が多いのでじっくり見てしまいます。

 これだけいろいろと書き込まれていると何が何の比喩表現なのか、何が何を表しているのか〔もしくは何の意味もないのか〕判りません・・・故澁澤龍彦さんや故種村季弘さんの解説でもあればわかりやすいのかもしれません。

 「七つの大罪」シリーズと「七つの徳目」シリーズを比べると「七つの大罪」が興味深い絵になっているのが面白い、私はキリスト教の信者でもなく知識も少ないので見た感覚なんですけど。

 第2部は「19世紀末から20世紀の初頭のベルギー象徴派、表現主義」はフェリシアン・ロップスが良いです。

 第3部は「20世紀シュルレアリスムから現代まで」・・・有名なのはルネ・マグリット、有名な「大家族」も提示されています。色合いが華やかで良いです。

 マルセル・マリエンの「見つからないもの」は片眼鏡、ミニオンの一つ目の子たち用の眼鏡に見えて仕方ありません〔苦笑〕。

 前回ちゃんと見てなかったものに「パナマレンコ」の作品あり、パナマレンコってベルギーの人だったのね・・・大昔〔1992年〕に今は引っ越した万博の国立国際美術館で展覧会があって見に行っておりました〔図録が本棚にあった・・・昔はマメに図録を買ってたね、今は置く場所も予算もない〕、変わった機械〔特に乗り物〕をテーマにした作品を発表している人です。

kotobank.jp

 この人の作品を観れたのみ少し嬉しい。

 ポール・ヌジェの写真も意味深ですね・・・白黒写真は良いです。

 2回見ても良い展覧会でした。

 

 図録を買って帰りました、帰りのバスにうまく乗れて助かりました。ここは乗り過ごすと大変ですからね。

「夢二ロマン‐神戸憧憬と欧米への旅」と「アカデミー・バーの壁画を描いた作家たち」を見に行った

夢二ロマン‐神戸憧憬と欧米への旅」神戸ファッション美術館

www.fashionmuseum.or.jp

「アカデミー・バーの壁画を描いた作家たち」神戸ゆかりの美術館

こちらのHPはうまく貼れませんでした・・・神戸ファッション美術館のHPから移動できると思います〕

 二つとも明日6月25日までの公開なので行ってまいりました。同じビルの中にあるので一度に見に行けます。料金は「夢二展」が大人500円、「アカデミー・バー」が200円となっているのですが「夢二展」の当日半券を見せると100円であります・・・お得です。

 夢二は旧制神戸一中に通っていたので神戸ゆかりの画家ということになります。

 夢二の絵は、やっぱり、どれを見ても夢二の絵です・・・簡単に描いたデッサンでも夢二と分かる個性があります。欧米旅行等で描かれたデッサンはあまり見られない貴重なものです。絵の上手い人は当たり前のようにデッサンが上手です、簡単に描いてるようで素人には真似できません、技術と感性と思いっきりが違います。

 見応えがありました。

 

 もう一つの「アカデミー・バーの壁画を描いた作家たち」、ついでに見て帰るぐらいのつもりでしたが〔料金からして期待してなかった〕期待はずれの良い絵が多数でした。

 「アカデミー・バー」は神戸王子公園の近所のバーで戦前には谷崎潤一郎等が通う文化サロンでした、終戦後三宮加納町に引っ越し、店長が白い漆喰壁を作り1950年代から多くの画家が寄せ書きを行いました・・・2016年店が解体されるときに壁画は神戸市に、そして保存修復が行われ今回の展示になりました。

 この壁画に絵を描いた画家たちの作家たちの絵が集められています。

 小磯良平に小松益喜、伊藤慶之介等々、良い油絵が展示されていました。

 図録が妙に安い値段だったので見てみたら値段相応だったので購入しませんでした。

 

 もうちょっと早く観に行けばよかったかな・・・他の用事もあったので滑り込みセーフということですね。