「マン・レイと女性たち」巖谷國士著/平凡社刊を読み終わった

マン・レイと女性たち」巖谷國士著/平凡社刊を読み終わったので感想を書きたいと思います。

 この本は2021年から2022年にかけてBunkamuraザ・ミュージアムや長野県立美術館などで行われた展覧会「マン・レイと女性たち」の図録を兼ねた1冊です〔見に行きたかったけど関西には巡回しませんでした〕。

 マン・レイの愛した5人の女性そして関連した多くの女性との関係と共にマン・レイの過ごした土地別に作品を紹介していく構成になっています。

 最初に「マン・レイの女性像」を序にかえて紹介しています。

 続いて最初に活動したニューヨーク、ここでマン・レイが最初に愛したアドンラクロワと結婚、そして親友となるマルシェル・デュシャンと出会います。セルフポートレートが多い時代、そして、ダダ時代となります。有名な「コーススタンド」もこの時期。

 パリには1921年から40年まで。モンパルナスを住処とします。キキ・ド・モンパルナスやリー・ミラーと出会い付き合うこととなります。ダダ・シュルレアリスム作品が作られます、肖像写真やファッション写真も多数です。キキをモデルに「アングルのヴァイオリン」が作られました。空に浮かぶ巨大な唇が描かれた「天文台の時刻に‐恋人たち」もパリで作られました。「祈り」や「ガラスの涙」「メレット・オッペンハイム、正面を向いて横たわる裸体」「エロティックにヴェールをまとう」「ドラ・マール(ソラリゼーション)」など印象的な作品が多数です。

 第二次大戦が始まりマン・レイはハリウッドに・・・1940年から51年に滞在しました。ここでジュリエット・ブラウナーと出会います。ジュリエットをモデルとした作品も多数あります。

 戦争が終わって1951年にジュリエットと共にパリに戻り作品を作ります、そして76年に生涯を閉じます。

 と言う風に生涯と共に作品が紹介されます。付録として「人名解説と索引〔大変詳しい、なぜか何座か書いてある〕」「年譜」「参考文献」「マン・レイ、マリオン・メイエ、国際マン・レイ協会‐ある友情の歴史」「後記」が載っています。

 マン・レイの生涯と主要作品を知るには良い1冊です。