「東京人2022年3月号特集・新版画と東京‐川瀬巴水、伊東深水、吉田博、土屋光逸らが描く」都市出版をしばらく前に買ってきたので感想を書きたいと思います。
新版画の特集というので久しぶりに「東京人」を買ってきました。
新版画は明治30年頃から昭和に作られた木版画を指します。昨年あたりから川瀬巴水や吉田博の展覧会が行われて注目されています〔残念ながら関西ではなかったので見に行けませんでした〕。
本誌では最初に川瀬巴水、吉田博、伊東深水、ノエル・ヌエット〔フランス人、大正から昭和にかけて日本に在住、作品は昭和初期に〕、小早川清の作品が紹介されます、どれも良いですね。
その後に西川純子・渡邊章一郎・イシグロキョウヘイによる鼎談で新版画について語ります。アニメとの共通点も述べられています。川瀬巴水「弘前景勝院」ができあがるまで何回も色を重ねていく様子が「順序刷り見本帳」で解説、凄いですね。
江口寿史が惚れた川瀬巴水「東海道風景選集・尾州半田新川端」についての感想が載っています。
「スティーブ・ジョブズの審美眼」松岡春夫でジョブズが愛した新版画について書かれています、直感で選んでいたようです〔コレクションリストあり、川瀬巴水が多いです〕。
「令和新版画の製作現場に、いざ」齋藤久嗣・・・パソコン上で版を作ってレーザーカッターで版を彫るのは近代的、でも刷るのはバレン。
「浮世絵再興に挑んだ最後の版元・渡邊庄三郎の生涯」高木凜・・・興味深い人生です。
他にも新版画に関する記事が多数、読み応えがあります。
特集以外では
「台湾人写真家が撮った戦前の東京‐時代の肩越しにシャッターを切った台湾人写真家・鄧南光のまなざし」栖来ひかり・・・戦前の東京の風景は興味深いです。
が良かったですね。