「未完の計画機‐命をかけて歴史をつくった影の航空機たち」浜田一穂著/イカロス出版を読み終わりました。
出版されたのは2015年でしばらく前ですがやっと読み終わりました。
この本は雑誌Jウイングに連載されたものをまとめたものの第1巻であります。
戦後に計画された機体がメインとなっております。
第1部は「白い未完機」として「ノースアメリカンXB−70ヴァルキリー」「BAC TSR2」「アヴロ・カナダCF−105アロウ」が取り上げられています。XB−70とTSR2については「世界の傑作機」や他の本でも割と取り上げられていますがCF−105の記事は貴重。
第2部は「アメリカの野心」、ここで注目はやはり「コンヴェアNX−2原子力爆撃機」。戦後アメリカが一番無茶した時代、原子力万能期待時代のあだ花と言える機体ですね。落ちたときの事を考えてないというか・・・発想が無茶ですね。他にはXF10F、XF−103、F−108、X−20が取り上げられています、どれも斬新な発想の機体ですが原子力爆撃機には勝てないですね〔苦笑〕。
第3部は「奇想の挑戦」、アメリカ以外の計画機の世界です。旧ソ連の「スホーイT−4」「バルティーニVVA−14」、イギリスの「マイルズM.52」「ブリストル188」「ジャンピング・ジープ」、フランスの「ルデュック・ラムジェット実験機」「シュド・ウエスト(SNCASO)トリダン」、ドイツの「VFWフォッカーVAK−191B」が紹介されています。
「バルティーニVVA−14」はイタリアからソ連に渡った設計者ロベルト・リュドヴィゴヴィッチ・パルティーニの人生が面白いですね、設計した海面効果機も面白いです。
「ジャンピング・ジープ」に英国のF1チームが絡んでた話も良いです。
計画機、試作機好きには良い本であります。
2巻と3巻を買わないといけませんね。