「巨砲モニター艦‐設計・建造・運用1914〜1945」を読み終わった

 「巨砲モニター艦‐設計・建造・運用1914〜1945」イアン・バクストン著/橋本若路訳/本吉隆監修/イカロス出版を読み終わりました。 

巨砲モニター艦

巨砲モニター艦

 

  いやぁ〜とんでもない本の翻訳が出ましたね。イギリスのモニター艦を一冊丸々解説した本を日本語で読む事が出来るなんて〔イギリス本国なら出る可能性が全くないとは言えませんが・・・「世界の傑作機第一次大戦版「WINDSOCK DATAFILE」が出る国ですから〕良い時代になりました。

 なにしろ25.7×21cmで274ページです。ずっしりと重いです。

 モニター艦と言えばアメリカの南北戦争北軍が使用した装甲艦「モニター」が有名ですが、この本ではイギリス海軍第一次大戦から第二次大戦終了まで使用した巨砲搭載モニター艦についての解説がこの本のメインであります。

 第一次大戦の陸上戦における膠着状態を何らかの海軍戦略で打破するために第一海軍卿フィッシャーと海軍大臣ウイストン・チャーチル〔タンクだけじゃ無くモニター艦にもチャーチルが絡んでいたとは〕が考えた一つが「巨砲モニター艦」であります。最初に作られたのが14インチ砲モニター艦ロバーツと同型艦3隻であります。

 続いて12インチ砲モニター、15インチ砲モニター、小型モニター、15インチ砲モニター第2シリーズが建造されました。同時にブラジル河川用モニターやノルウェー海防戦艦の解説も載っております。

 第二次大戦においても15インチ砲モニター艦「ロバーツ」「フバクロンビー」が建造され使用されました。

 これらのモニター艦について設計・建造・性能・問題点・戦歴・図面・写真等々とにかく細かく細かく書かれています。最後に一章を用いて搭載された砲についても細かく書かれています。

 訳注や図表対訳表も細かく書かれてます。

 

 艦艇マニアにはたまらない本ですね。

 このような地味な艦達についての本が出る事にひたすら感謝いたします。

 値段は3500円+消費税とお高くなっておりますが〔軍事関係の本は基本的にお高いですが〕内容と発行部数を考えると妥当な物だと思います。

 買って良かったです!!。