「10年ひとむかしと人は」と「小磯良平と吉原治良」展に行ってきた

 昨日〔5月4日〕、兵庫県立美術館で開催されている「10年ひとむかしと人はいう展」と「小磯良平吉原治良展」を見てきました。

 「小磯良平吉原治良」は特別展、「10年ひとむかしと人はいう展」は県美プレミアムです。

 

www.artm.pref.hyogo.jp

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 小磯良平吉原治良、片方は具象画家の大巨匠、絵に描いたような油絵を描く画家。もう片方は日本の抽象画家のパイオニアの一人です。でも二人は同じ時期に生まれ同じ神戸・阪神間を中心に活動をしているという共通点があります。

 この小磯良平吉原治良の二人を時代を追っていくのがこの作品展です。最初に二人が若いときに描いた自画像、この頃にはあまり差もなく普通の自画像であります。ところが徐々に吉原治良の作品が抽象画に傾いていきます・・・時代を追った展示なので判りやすいです、抽象画と言っても時代を追って作風が変わっていくのもよく判ります。最晩年〔1971年〕に描かれた布にアクリルで描かれた作品A〜Cはシンプルな上にインパクトがあります。もう一人の主役の小磯良平も同じように具象を描いているようで徐々に変化していきます、最初の頃はしっかり描き込みがあるのですが晩年になると描き込みが減りシンプルな描き方に変わっていきます。これだけの作品を時代別に並べると判りやすいです。

 

 続いて「10年ひとむかしと人はいう展」です。今から10年前の2008年から10年ごと〔1998、1988、1978・・・1918年まで〕遡って、おのおのの年に作られた作品を展示するという変わった展覧会です。

 これが結構良かったです。絵画だけじゃ無く写真や彫刻も展示してありますし日本の作品も海外の作品もあります〔デュシャンやダリ、エゴン・シーレ等〕。特に戦前の写真作品は良いですね〔個人的な好み〕。知らない作家の作家も見られました。1918、1928に好きな作品が多かったです〔人間が古いのか?〕。これの図録が無かったのは大変残念、作品リストだけじゃ後で思い出せない〔「小磯良平吉原治良」展の図録は買いませんでした・・ごめんなさい〕。

 この展覧会を見る注意手の一つ・・・3階で「小磯良平吉原治良展」を見終わって2階から見始めると失敗します。1階から見ましょう・・・1階の入り口が2008年の作品でスタート地点です〔私は2階から入ったので途中の時代から見てしまいました・・・苦笑〕

 二つの展覧会をセットで見ると20世紀から日本の美術の変化が少し判ります、二つ併せて良い展覧会でした。

 

 ちなみに「ジブリの大博覧会」もやっていたんですが思いっきり行列していたので見ませんでした。

 

www.ytv.co.jp

 祝日だから混みますよね・・・ジブリだもの。私だってアニオタだから空いてたら見たかったです。