「フェティシズム全書」ジャン・ストレフ著/加藤雅郁・橋本克己訳/作品社
とんでもない大著です、ハードカバー2段組で600ページ以上、図版は1200点です〔値段も4800+税〕。
「全書」と名乗るだけあって網羅している分野も広い。
とにかく濃い。
大きく「身体の部位〔髪・目・鼻・・・〕」「逸脱の人体〔奇形・肥満・痩身・・・〕」「感覚器官〔嗅覚・聴覚・触覚・視覚・味覚〕」「体液〔涙・汗・膿・・・〕」「下着と装飾品〔靴・チュチュ・靴下・・・〕」「身体拘束〔革・ゴム・ラテックス・・・〕の6分野に大別、前後に総論という構成であります。
古今東西のフェティシズムが大集合、博覧強記の世界です。フランス人作家でありながら日本に関する造詣もあります〔三島由紀夫に村上龍に緊縛に・・・多少の誤解があるのは仕方無いですが〕。作者は「日本はフェティシズムが進んでいる」とも書いています。
本職の研究家でないので学術的な考察はあまりないのですが読み物として好奇心を満たすにはこちらの方が良いです。
フェチの対象によっては読んでいて気持ち悪くなるところもあるのですが、そこは我慢して読んで新しい世界を知るも良し、飛ばして違う章から読み始めてもほとんど問題ありません・・・出来れば通して読んだ方が良いと思います〔私も気持ち悪いと思うところが幾つか・・・それがフェティシズムと言う物ではないかと〕。
読み終えた感想・・・人間の「性」と「業」って深いなと。
ネットのニュースを見ていると日々あたらしいフェティシズムな犯罪が起こっていますし〔表札を盗んで寝間の周りに並べたり・・・〕日々進化〔深化〕していってる感じがします。この本に書かれている事にさらに追加した本を書かないといけない日がすぐそこに来る気がします。
覚悟して読む本ですね、面白いですけど。